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BC-bodyアスレティックトレーナーの鈴木です。トレーナーの自己紹介【鈴木健太郎】
BC-bodyでは【予防医学】の観点から
いつまでも自分の足で歩き続けるための身体つくりを提供いたします。
自宅に庭や畑を持っている人にとって毎年のようにやってくる草取り作業。
草を取るためにしゃがむ動作を1日続けることも多いかと思います。
膝を曲げる動きは膝に大きな負担をかけるようにできており、例えば階段昇降で膝のお皿にかかる圧迫力は体重の3.3倍、膝を深く曲げることで体重の7.8倍にも相当する負荷がかかるとされています。1)
このように膝を曲げる動作は負担がかかりやすい事がわかると思います。今回は草取りの時に膝を出しながらしゃがんだ場合何が起こるのか?についてご紹介したいと思います。
まずは前回の記事でもご紹介したように膝の関節は3つの骨から形成されており、今回問題になる部分としては、「もも」と「お皿」になります。
お皿の裏側を見てみると軟骨が存在し、ここが腿の骨と接しています。
(画像引用:VISUAL BODY)
膝を曲げ伸ばしする際にお皿が腿の前を滑りスムーズな膝の曲げ伸ばしがされる仕組みとなっており、その曲げ伸ばしで大きな役割を担うのがもも前(大腿四頭筋)の筋肉になります。
(画像引用:VISUAL BODY)
腿前の筋肉は強く、股関節の付け根からお皿を跨いでスネまで続くような長さもあります。この腿前の筋肉が収縮すると膝のお皿をももの骨に押し付けるような力(膝蓋大腿関節内の圧力)が働くことが知られており、その圧力が前述した階段昇降では体重の3.3倍、膝を深く曲げると7.8倍という数字となって出てきます。
ちなみに膝を少し曲げたぐらいでは問題ありませんが、60°-90°曲げることで、圧力が最大になるようです。
そのため軽いスクワット動作であれば問題無いですが、膝を深く曲げる(60°-90°)スクワットに関してはやり方次第ではお皿の関節に圧迫力がかかってきます。
しかし、深いスクワットは日常的に行っているのになぜ膝は痛まないのでしょうか?実はお皿の骨と関係しています。このお皿と腿の骨との間は膝蓋大腿関節と言いますが、60°-90°に膝を曲げるとこの関節がうまく適合して圧力の分散をしてくれるようになっています。
膝の周りの筋肉や靭帯のバランスが崩れない限りこのようにお皿に対する圧力は分散されますが、腿前の筋肉(特に腿の外側)が硬かったり、膝の内側の靭帯が伸びてたり、偏平足等身体のバランスが崩れることでお皿にかかる圧力が不均等になり、軟骨がすり減ったり、お皿がズレたりする可能性があります。
(画像引用:VISUAL BODY)
そのため大前提として常日頃膝回りの筋肉をほぐしたり、ストレッチしたりする事(コンディショニング)。すでに膝に痛みを抱えている方は膝の前に出さないように座る工夫が必要になりますね。
まとめ
①日頃から筋肉をほぐし、柔軟にしておく(コンディショニング)
②膝を前に出し深くしゃがまない
いつまでも歩き続けるためにはまず身体が健康でなければなりません!
上記を意識して疾患を一緒に予防しましょう!
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参考文献
1)Donald A.Neumann著, 嶋田 智明, 有馬 慶美訳,筋骨格系のキネシオロジー 原著第2版,医歯薬出版,2012年3月1日
2)Crossley KM, Stefanik JJ, Selfe J, Collins NJ, Davis IS, Powers CM, McConnell J, Vicenzino B, Bazett-Jones DM, Esculier JF, Morrissey D, Callaghan MJ. 2016 Patellofemoral pain consensus statement from the 4th International Patellofemoral Pain Research Retreat, Manchester. Part 1: Terminology, definitions, clinical examination, natural history, patellofemoral osteoarthritis and patient-reported outcome measures. Br J Sports Med. 2016 Jul;50(14):839-43. doi: 10.1136/bjsports-2016-096384. Epub 2016 Jun 24. PMID: 27343241; PMCID: PMC4975817.
3)赤司 浩二郎:膝蓋大腿関節の力学的研究 第1報高弾性モデル実験 川崎医学会誌.川崎医学会 1985 11 4 75-88.
4)石井慎一郎:痛みの理学療法シリーズ 膝関節機能障害のリハビリテーション.羊土社.東京.2022.
5)Gaitonde DY, Ericksen A, Robbins RC. Patellofemoral Pain Syndrome. Am Fam Physician. 2019 Jan 15;99(2):88-94. PMID: 30633480.