首の痛みを防ぐために

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がじゅまる整骨院の加藤です。自己紹介【加藤由基】

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今回からは【首の痛みについて】をご紹介したいと思います。

首の動き

頸椎の動きは、頭蓋骨と環椎による環椎後頭関節、環椎と軸椎による環軸関節、第3頸椎以下の椎間関節により成り立っている。環椎後頭関節は、形のうえでは一種の楕円関節に相当し、関節包は緩い。運動は主に前方および後方運動(屈曲・伸展)と側方運動(側屈)である。環軸関節は環軸関節複合体とも呼ばれ、外側環軸関節と正中環軸関節から成り立っており、機能的には一つの車軸関節とみなされている。運動は主に回旋であるが、わずかな屈曲 ・ 伸展がみられる。第3頸椎以下の椎間関節での運動は、主に側方運動(側屈)、前 ・ 後方運動(屈曲・伸展)、わずかな回旋である。¹⁾

⇒首の動きは3つの部位に分けられ、それぞれ得意な動きがある

⇒①曲げ伸ばし、横に倒す動くが得意

②捻る動きが得意

③横に倒す、曲げ伸ばしが得意

 ③ ⁶⁾

 

筋肉

頸部深層屈筋群の筋厚は、頭頸部屈曲運動の筋力を間接的に示すと考える。頸部深層屈筋群の筋厚が薄いことは頭頸部屈曲運動の筋力が低いことを示し、健常者においても、代償的な胸鎖乳突筋の筋活動量増加が認められたことは興味深い。また、筋厚比の相関係数の方が頸部深層屈筋群の筋厚単独よりも高かったことから、最小限の胸鎖乳突筋の筋活動で行う特異的な頭頸部屈曲運動の重要性がより強調されると考える。²⁾

頭頸部屈曲時の筋活動パターンが変化する筋機能障害も頸部痛患者に認められる特徴である。³⁾

頸部に症状がない場合でも頸部痛患者と同様の不良姿勢を呈する人では、頭頸部屈曲で胸鎖乳突筋の活動が増加する代償動作が生じることが示唆される。³⁾

頸部伸展動作では上位頸椎の過伸展、下位頸椎伸展制限(以下、伸展制限)が生じる事が多く、その要因の一つとして頸部深層屈筋群(以下、屈筋群)の機能低下が考えられる。⁴⁾

⇒首の痛い人では、バランスが崩れ胸鎖乳突筋が過剰に働きやすい

⇒首の痛い人では、首の前側の筋肉が弱いことが多い

 ⁶⁾

頭部前方位では頭部中間位と比較し棘下筋、前鋸筋の筋活動低下と、僧帽筋下部線維の筋活動上昇に有意差がみられた。⁵⁾

⇒猫背だと肩甲骨周りの働きが悪くなる

 

骨の並び

頭頸部を円滑に稼働させることができる条件は、土台である胸郭が安定していることが重要である。頭頸部の正しいアラインメントはそれぞれの姿勢における胸郭の位置にも左右されるが、過剰な筋活動に基づく姿勢や動作をおこなわなくても良い状態であることが大切である。¹⁾

⇒首を滑らかに動かすためには、土台である胸郭が重要

 ⁶⁾

特に頸部に疼痛を訴える人は頭部前方位姿勢を呈することが多く、頭頸部の不良姿勢は頸部から上背部に疼痛を生じさせ、慢性的な症状に進展する可能性がある。³⁾

頸部痛患者ではCV 角が小さい頭部前方位姿勢を呈するという特徴がある。³⁾

⇒首の痛い人は、頭が前に出た状態になりやすい

頸部深層屈筋群(頭長筋,頸長筋)には頭頸部屈曲作用(上位頸椎の屈曲と頸椎前彎の減少)がある。³⁾

⇒首前の筋肉に力を入れると頭の位置が整いやすい

 

まとめ

今回は【首の痛み】について紹介していきました

・首の痛い人では、バランスが崩れ胸鎖乳突筋が過剰に働きやすい

・首の痛い人では、首の前側の筋肉が弱いことが多い

・首の痛い人は、頭が前に出た状態になりやすい

 

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参考文献

1)後藤 淳,頭頸部アラインメントの解釈,関西理学 16: 19–26, 2016

2)石田弘/末廣忠延/小野晃路,頸部屈筋群の筋厚と頭頸部屈曲テスト時の胸鎖乳突筋の筋活動量との関係,理学療法学Supplement2014

3)中丸 宏二/相澤 純也/小山 貴之 他,健常成人における頭蓋脊椎角と頸部屈筋群機能との関係,理学療法科学 25(6):837–841,2010

4)野元友貴/矢部綾子/石井恵美,下位頸椎伸展可動域と頸部深層屈筋群の関連,理学療法学Supplement, 2010

5)白尾泰宏/小牧順道,頭部位置の違いによる肩甲骨周囲筋の筋活動分析,日本理学療法士協会 第48回日本理学療法学術大会 抄録集,2013

6)坂井 建雄/松村 讓兒,プロメテウス解剖学アトラス 解剖学総論/運動器系 第3版,医学書院,2016年12月26日