正しい動作のために知っておくべき4つのポイント~④股関節を鍛えよう~

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BC-bodyアスレティックトレーナーの鈴木です。トレーナーの自己紹介【鈴木健太郎】

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今回は~④股関節を鍛えよう~をご紹介したいと思います。

股関節の構造

肩の関節は球関節と呼ばれており、不安定な関節とされています。実は股関節も球関節と呼ばれていますが、肩より不安定ではありません。その理由の一つとして股関節は肩関節と違い、受け皿が大きく、骨頭がうまくハマりこむ構造をしているためです。

ですが、実はこの股関節に関しても立位(立ち姿勢)姿勢では完全にハマり込まず少しだけ骨頭の前がむき出し状態になっています。1)(完全にハマりこんでいる姿勢は【四つ這い姿勢】)

では何故私達が立って歩けているかと言うと、重力が股関節に働いたり、強靭な靭帯や筋肉が股関節が支えられているからです。今回はその中でも筋肉に焦点を当てご紹介していきたいと思います。

 

股関節を支える筋肉群

股関節周り筋肉群は外側に付着する殿筋群、内側に付着する内転筋群など多くの筋肉が付着しています。中でも「股関節外転筋群(小殿筋、中殿筋、大腿筋膜張筋)」は骨盤を横ブレを防止させる作用があり、片脚で立った時や、歩行の際に骨盤を安定させてくれています。1) 

小殿筋と大腿筋膜張筋による骨盤の安定化は,正常の歩行 に不可欠である.片脚支持のとき,両側腸骨の線で具現化される骨盤の線は水平に止まり,ほぼ両肩の線と平行である.もしも,これらの筋が片脚支持側で麻痺しているとすると,両肩の線が逆に傾むき ,体幹を一体となって反らせることがなければ落下を生じる.1)

歩いている時にこれらの筋がどのように動いているか?を示した図によると、踵(かかと)を接地した時から体重が乗るまでに外転筋群や内転筋群が共同して骨盤を安定させているとされています。2)

股関節の内転筋群や外転筋群は立脚相の初期と終期気活動して,骨盤の安定性に役立っている.2)

 

なぜ骨盤の横ブレを防止しなければならないか?

ではなぜ骨盤を安定させなければならないのでしょうか?

例えば変形性膝関節症(以下:膝OA)を例に挙げると、膝OAが進行している例では膝がO脚になり、膝が外側にずれていくような力(Knee adduction moment :KAM)が膝にかかります。3)これを放置していくとO脚が進行≒膝OAが進行していくこととなります。

At entry, severity of pain was associated with adduction moment in this study. Patients with less pain had a lower adduction moment and those with more pain had a higher adduction moment.
本研究では内転モーメントと関連していた。痛みの少ない患者は内転モーメントが低く、痛みの多い患者は内転モーメントが高かった。3)

 

この膝が外側へずれていく力が1%増加すると膝OAの進行リスクを6.46倍になる事も示唆されているため、骨盤の横ブレは無視して良い問題ではなさそうです。

Furthermore, logistic regression analysis showed that the risk of progression of knee OA increased 6.46 times with a 1 increase in adduction moment.さらに、ロジスティック回帰分析により、内転モーメントが1%増加すると膝関節OAの進行リスクは6.46倍になることが示された。3)

股関節を鍛える

ではこの横ブレはどのようにして予防すればよいでしょう?

横ブレを少なくするために行った方が良い事の一つとして股関節外転筋群を鍛えると良い事が言われています。4)もちろんこれだけではなく、体幹周りや、他の股関節周囲筋を鍛える事も効果的なようです。5)つまり全体的な姿勢のバランスを整えていくことが大切となります!

The findings of the present study demonstrated that providing adequate instructions for a DI maneuver that achieves a 2 cm decrease in abdominal circumference while walking significantly decreased the 1st KAM peak.
歩行中に腹囲が2cm減少するDI操作を適切に指示することで、第1KAMピークが有意に減少することが明らかとなった。5)

股関節外転筋群や体幹を鍛えるエクササイズとして下記のようなエクササイズが考えられる       (BCレッスンの中に組み込まれているエクササイズから抜粋)↓↓↓

お尻を鍛えるエクササイズ(膝を曲げた状態)

お尻を鍛えるエクササイズ(膝を伸ばしより歩きに寄せた状態)

上記のようなエクササイズを行うと予防に繋がります。膝に痛みがある方は是非行ってみてください!

 

まとめ

今回は~④股関節を鍛えよう~についてご紹介しました。

①お尻、モモが共同して股関節を支える

②膝が外に1%ズレると膝OAの進行リスクが6倍上がる

③股関節だけでなく、体幹も鍛え疾患の予防を行う

 

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参考文献

1)Kapandji IA:カパンジー機能解剖学Ⅲ─脊椎・体幹・頭部,原著第6版.塩田悦仁(訳),医歯薬出版,東京,2008.

2)中村隆一・他:基礎運動学第6版.pp447-478,医歯薬出版,2005.

3)Miyazaki T, Wada M, Kawahara H, Sato M, Baba H, Shimada S. Dynamic load at baseline can predict radiographic disease progression in medial compartment knee osteoarthritis. Ann Rheum Dis. 2002 Jul;61(7):617-22. doi: 10.1136/ard.61.7.617. PMID: 12079903; PMCID: PMC1754164.

4)Thomas DT, R S, Prabhakar AJ, Dineshbhai PV, Eapen C. Hip abductor strengthening in patients diagnosed with knee osteoarthritis – a systematic review and meta-analysis. BMC Musculoskelet Disord. 2022 Jun 29;23(1):622. doi: 10.1186/s12891-022-05557-6. PMID: 35768802; PMCID: PMC9241212.