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がじゅまる整骨院の加藤です。自己紹介【加藤由基】
BC-bodyでは【予防医学】の観点から
いつまでも自分の足で歩き続けることができる身体づくりを提供いたします。
患者さまから、「手足が冷えて辛い」というお声を先日お聞きしました。
今回は【冷え性】をご紹介したいと思います。
どんな人?
健常者における冷え性のある人の頻度は、女性で約60%、男性では約20%とされており、男女差が大きい。¹⁾
⇒冷え性は、男性よりも女性に多い
20-60歳の女性470名を対象に、自己記入式質問紙調査を行い解析した。その結果、63.6%の女性が冷えを自覚していた。冷えを感じる身体部位は足や手、下肢などの末梢部が多く、外気温の低い冬や就寝前に感じることが多かった。²⁾
⇒女性では、60%の方が冷えを感じている可能性がある
学生
冷え症だと思う人は全体では女性の70.6%、男性でも30.4%にのぼった。学年が上がるにつれて多くなっており、大学生においては女性の74.4%、男性の38.5%が冷え症だと思っていた。またすべての学年で男性より女性のほうが多かった。冷えを感じる部位については、小学生は手に感じる人の割合が多いが、中学生以上は男女ともに足が最も高率となっていた(表2 )。(奈良県内の小学生 6 年生81名(男性39名、女性42名)、中学生226名(男性114名、女性112名)、高校生353名(男性169名、女性184名)、京都府内の大学生521名(男性227名、女性294名)の計1181名(有効回答97.5%)を対象とした(表 1 ))³⁾
⇒小学生から大学生までの全体で、女性は70%・男性は30%が冷え性だと感じている
何が起こる?
冷え性による身体への影響は、肩こり、不安、腰痛、不眠等があり、日常生活に支障をきたす場合もある。⁴⁾
冷えと健康状態は関連し、冷え得点が強くなるほど健康状態の不調を強く訴えており、日常生活をより快適にするためにも冷え症を予防する必要があることが明らかとなった。³⁾
肩凝り、立ちくらみなどの不定愁訴が6項目以上ある人は5項目以下の人に比べて、冷えを自覚している人が有意に多かった。(p<0.05)⁵⁾
冷え自覚群の54.8%が冷えに対して苦痛を感じ、肩こり、頭痛、むくみなどを合併している場合も多かった。冷えの自覚は、年齢とBMI(Body Mass Index)に関連しており、20代の若い女性ほど、あるいはBMIが低い痩せ型の女性ほど冷えを自覚していた。また、神戸市の女性の方が金沢市の女性よりも冷えを自覚する危険性が高いことが示唆された。²⁾
そこで2つの対象高校毎にオッズ比を求め、「冷え性」と生活状況、精神状況や身体状況との関連性を検討した。その結果、食生活では「食の偏り」、「乏しい食の内容」、「食の不規則性」などが、また身体状況では「疲労」、「睡眠不足」、「胃の調子」、「便秘・便通」、「貧血」、「腹痛」、「BMI」などが「冷え性」と関連していることを裏付ける結果を得ており、これらは前述の宮本ほか(1992;1993)の「冷え性の原因に関する指摘と一致するところが多かった。⁶⁾
⇒冷えを強く感じる方は、体の不調が強く出やすい可能性がある
⇒肩こり、頭痛、むくみ、疲労、睡眠不足、不安、胃の調子、便秘・便通、貧血、腹痛、BMIと関連する
冷えを自覚していた群は自覚していなかった群と比較して、集中できない側の回答割合が19.3%高かったことから、床近傍の低温環境による冷えの自覚は、集中力を低下させる可能性が考えられる。⁷⁾
⇒冷えを感じている人は、集中力が低下する可能性がある
原因は?
冷え性との関連が高い要因としては、BMI判定、冬季におけるカイロの使用、便秘、手足などの末端部分の冷え、冷えのつらさの持続、関節のこわばりと痛み、などが明らかとなった。⁸⁾
冷え性の増悪因子として、日頃の運動不足・神経症的性格傾向・過労・食べ物の嗜好がクローズアップされ、この面での生活指導が冷え性の治療を行っていく上で、薬物的な治療と並んで重要であることか示唆された。⁸⁾
冷え性の原因には体質素因、住環境や食生活、ストレスによる自律神経系への影響などさまざまな要因が考えられている。⁴⁾
両校で共通してオッズ比に有意差が認められた項目は「同じ物ばかり食べている」、「体がだるいことがある」、「気持ちがムカつくことが多い」、「胃の調子が悪い」、「腰痛が多い」、「お腹が痛くなり易 い」、「寒がりで ある」、「BMI」で、これらの項目は「冷え性」との関連性のあることが確認できた。⁶⁾
⇒冷え性の原因として、BMI・日頃の運動不足・過労・ストレス・食生活などが挙げられる
特に冬期において寒暖差が大きな気象条件下で暮らす2つの地域の女子高校生には「冷え性」に地域差が認められず、「冷え性」には気候条件よりも生活習慣の良否が強く関与していた。BMIと「冷え性」との関係を検討した結果、痩せ傾向の強い者ほど手足の「冷え」が強いとの結論を得た。⁶⁾
【神奈川県横浜市内の全日制県立普通高校であるS高校及び長野県佐久市内の全日制私立普通高校であるT高校の2校を選定】⁶⁾
⇒冷え性には、気候条件よりも生活習慣が強く関与していた
冷え性の病態は、心拍数、R-R間隔変動の周波数分析や皮膚血流量の測定結果から、冷え性のない人に比べて交感神経機能が亢進し、皮膚血流量が低下しているとされている。¹⁾
⇒冷え性の方はない方に比べて、血流が悪くなっている可能性がある
まとめ
今回は『冷え性』について紹介していきました
・冷え性は、【肩こり、頭痛、むくみ、疲労、睡眠不足、不安、胃の調子、便秘・便通、貧血、腹痛、BMIと関連する】
・冷え性の原因として、BMI・日頃の運動不足・過労・ストレス・食生活などが挙げられる
・冷え性には、気候条件よりも生活習慣が強く関与していた
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参考文献
1)新藤和雅,冷え性と自律神経,日本自律神経学会,自律神経 60 (2), 71-75, 2023
2)今井美和/赤祖父一知/福西秀信,成人女性の冷えの自覚とその要因についての検討,石川県公立大学法人 石川県立看護大学,石川看護雑誌 4巻,p.55-64,発行日2007-03
3)中川牧子/山根優花/我部山キヨ子,小・中・高・大学生の冷え症と健康状態に関する研究,京都大学大学院医学研究科人間健康科学系専攻,京都大学大学院医学研究科人間健康科学系専攻紀要 : 健康科学 9巻p.7-10,2014年3月31日
4)露繁巧江/濱本尊博/福本絵理 他,若年女性の身体活動量と冷え症状の関連について,山口県立大学,山口県立大学学術情報 12 123-129, 2019-03-29
5)桑原有衣子/半藤保/池田かよ子,若年男女の「冷え症」について,新潟青陵学会,新潟青陵学会誌 4巻,3号,p.65-69, 発行日 2012-03
6)土屋基/鈴木勝彦/井上忠夫 他,異なる気候条件下で暮らす女子高校生の「冷え性」と生活状況の検討,日本民族衛生学会,民族衛生2005年71巻5号p.207-218
7)岡崎愛/伊香賀俊治/三浦眞由美 他,床近傍の低温環境が知的生産性に及ぼす影響に関する夏季被験者実験,公益社団法人 空気調和・衛生工学会,平成30年度大会(名古屋)学術講演論文集 第6巻 温熱環境評価 編,2018
8)高取明正/奥田博之/坂田 旬子 他,冷え性婦人の病態生理学的検討―第3報,冷え性婦人の性格・生活習慣・食事の嗜好調査―岡山大学医学部附属病院三朝分院,岡大三朝分院研究報告63巻79-84