変形性膝関節症になりやすい要因

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がじゅまる整骨院の加藤です。自己紹介【加藤由基】

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前回は【変形性膝関節症を防ぐために知っておきたい体のこと】を紹介しました。

変形性膝関節症を防ぐために知っておきたい体のこと

今回は【変形性膝関節症になりやすい要因】をご紹介したいと思います。

 

運動療法に関して OARSI のガイドラインでは,症候性の膝 OA 患者において,疼痛緩和および身体機能を改善するための適切な運動療法について理学療法士による評価と指示・助言を受けることは有益である,そして膝 OA 患者は定期的な有酸素運動,筋力強化運動,関節可動域運動を実施し,継続することを奨励すると述べている。¹⁾

⇒習慣的な運動や筋力強化・体を柔軟に保つことで膝の変形を予防しやすい

60 歳以上の体重過多または肥満(BMI 28 kg/m2以上)のある膝 OA 患者 316 名を対象に,単一の介入と比較して適度な体重の減量と適度なエクササイズの組み合わせは,自己報告の身体機能,疼痛,移動動作(6 分間歩行距離,階段昇降時間)のすべての項目において,より多くの改善が認められた。¹⁾

⇒過度な体重は、痛みや日常生活に悪影響を及ぼしやすい

下肢関節は踵接地後の荷重応答期に、急激な過重負荷に対して動的安定性を図らなくてはならない。特に膝関節の動的安定化は、安定した立脚期を作るうえで重要な要素になる。²⁾

⇒歩行時の負担は大きいため、膝の安定化がとても重要になる

 

筋肉が衰えると膝が不安定になる

大殿筋

屈曲位における膝関節の安定化には、大殿筋によるモーメントが重要な役割をもつ。踵設置時に大殿筋は股関節伸展モーメントを発生させる。この大腿骨を股関節周りに回転させるモーメントは、大腿骨遠位端を脛骨関節面上に押し付ける作用を有し、結果的に膝関節を安定させることになる。²⁾

⇒膝を安定させるには大殿筋の働きが重要

 ²⁾

大腿四頭筋

大腿四頭筋筋力値の高さは,膝 OA の進行と膝の不安定性と関連していた。¹⁾

⇒もも前の筋肉が弱いと変形が進みやすく、不安定になりやすい

 

膝を安定させるには?

初期接地直後に膝が動揺する場合:接地時に膝関節を十分に伸展させられないことが原因であることが多い。接地直後の膝関節は、完全伸展位になることですべての靭帯の緊張を強めて剛性を高めている。よって、接地直後の膝関節が動揺する場合には、膝関節が屈曲位で初期接地している場合が多い。²⁾

⇒膝が十分に伸びる必要があるので、柔軟に保ちましょう

大殿筋の股関節外旋作用は、大腿骨を脛骨上で外旋させるのに役立つ。一方、脛骨は踵接地から全足底接地にかけて足関節の底屈・外反の動きに連動して内旋する。膝関節の内旋は、前十字靭帯(ACL)と後十字靭帯(PCL)の交差を強め、大腿骨と脛骨の関節面は、締め上げられるように接合力が強まり膝関節を安定させる。²⁾

⇒股関節や足関節と連動して、十字靭帯がギュッと交差することで膝の安定性が高まる

SBL伸展機能の例外は膝で発生する。膝はほかの関節と異なり、SBLの筋により後方へ屈曲する。立位では、SBLと連動する腱が十字靭帯を補助し、脛骨と大腿骨間のアライメントを維持する。³⁾

⇒立っている姿勢では、腱や靭帯が膝を過度に曲がらないよう保つ

²⁾ ²⁾

 

歩き方

外側thrustは、変形性膝関節症患者に多く観察される病態である。外側thrustが起こる原因としては、大殿筋株線維、大内転筋、前脛骨筋、後脛骨筋などの筋力低下が原因となる場合が多い。²⁾

膝 OA 群は,対照群よりも膝関節不安定性,内側関節弛緩性の増大,内側四頭筋と腓腹筋内側頭の同時収縮の増大,外部膝関節内転モーメントの増大を示した。¹⁾

前額面関節モーメント量は膝 OA 群が大きく,病期の進行に伴い増大した。¹⁾

⇒膝が外にぶれると変形しやすい

⇒原因として筋力低下がある

骨盤の後傾も外側thrustを誘発する因子である。²⁾

⇒猫背でも膝が外にぶれやすい

 

膝への負担を減らそう!

45 歳以上,BMI 28.0 以上の条件で,膝関節痛の訴えのある男女 389 名を食事介入と大腿四頭筋筋力増強エクササイズ群,食事介入群,大腿四頭筋筋力増強エクササイズ群,対照群の 4 群に無作為分類し,疼痛軽減と膝関節機能改善を検討した。24 か月時の膝エクササイズ群において膝関節痛が有意に減少し,機能改善が認められた。¹⁾

肥満のある高齢の特徴的な膝 OA 患者 316 名を対象に,関節炎,ダイエット,そしてactivity promotion trail がエクササイズ単独,体重減少単独,エクササイズと減量の組み合わせ,そして対照介入として健康的な生活スタイルを比較して検討した。その結果,減量介入は対照介入と比較して,活動において大きな改善が示された(自己効力感(p=0.0035),階段昇降(p=0.0249),6 分間歩行(p=0.00031),疼痛(p=0.09))。エクササイズと減量は活動を改善したことが示された。¹⁾

60 歳以上の体重過多または肥満(BMI 28 kg/m2以上)のある膝 OA 患者 316 名を対象に,単一の介入と比較して適度な体重の減量と適度なエクササイズの組み合わせは,自己報告の身体機能,疼痛,移動動作(6 分間歩行距離,階段昇降時間)のすべての項目において,より多くの改善が認められた。¹⁾

⇒適切な体重コントロールと習慣的な運動は変形の予防につながる

膝 OA 患者に対し在宅運動プログラム(毎日)と歩行運動(3 回/週)を 3 か月施行し,その効果を比較した。その結果,疼痛と主観的運動機能では両群間で差がなかったが,QOL については歩行運動群で在宅運動群よりも有意に改善した 。¹⁾

⇒自宅での運動に比べウォーキングは日常の動作が改善しやすい

 

まとめ

今回は【変形性膝関節症になりやすい要因】について紹介していきました

筋肉が弱ると不安定になりやすい

・猫背にならないようにし、膝が外にぶれないようにする

適切な体重コントロールと習慣的な運動は変形の予防につながる

 

次回は【変形性膝関節症になる姿勢】について書いていきます。

 

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参考文献

1)Donald A.Neumann著, 嶋田 智明, 有馬 慶美訳,筋骨格系のキネシオロジー 原著第2版,医歯薬出版,2012年3月1日

1)公益社団法人日本理学療法士協会,変形性膝関節症 理学療法診療ガイドライン第1版,2011

2)石井慎一郎,動作分析 臨床活用講座 バイオメカニクスに基づく臨床推論の実践,メジカルビュー社,2015年3月1日

3)トーマス・W・マイヤース/板場英行・石井慎一郎,アナトミートレインー徒手運動療法のための筋筋膜経線,医学書院,2121年1月1日

4)坂井 建雄/松村 讓兒,プロメテウス解剖学アトラス 解剖学総論/運動器系 第3版,医学書院,2016年12月26日