片足立ちができないことによる悪影響

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がじゅまる整骨院の加藤です。自己紹介【加藤由基】

BC-bodyでは【予防医学】の観点から

いつまでも自分の足で歩き続けることができる身体づくりを提供いたします。

 

前回は【片足立ちが困難になってしまう要因】を紹介しました。

片足立ちができますか?

前回の振り返り

バランスを保って片足立ちができるなくなると、歩けなくなる危険性がかなり高くなってしまう

片足立ちが安定する人は骨盤がぶれず、痛みの予防につながる

体幹の筋肉が衰えると不安定になりやすくなる

足裏の感覚が鈍ったり、股関節(お尻の外側、もも前)や腓骨筋の筋力が弱ると片足立ちが困難になりやすい

 

今回は【片足立ちができないことによる悪影響】をご紹介したいと思います。

片脚立ちと歩行

OLST(One-leg standing test)片脚立位保持検査の区分別にみたfast例の割合は、2秒未満群、2~5秒未満群、5~10秒未満群、10~15秒未満群、15秒以上群の順に、21%、56%、63%、89%、95%であり、片脚立位時間の減少とともにfast例は有意に減少した(p<0.01)。また、fast例において片脚立位保持が不能であった者を7例認めた。¹⁾

歩行開始速度を目的変数とした重回帰分析の結果、開眼片脚立位(標準偏回帰係数0.26)のみ有意な因子として抽出された。定常歩行速度を目的変数とした重回帰分析では股関節伸展筋力(標準偏回帰係数0.27)およびCST(標準偏回帰係数0.39)が抽出された。²⁾

足立ちができないと歩く速度が遅くなる可能性がある

歩行自立群と非自立群の2群間でM-FR値、OLS値に有意差が認められた(p<0.001)。³⁾

⇒片足立ちができないと歩けなくなる危険性が高まる

危険な目安は?

高齢入院患者を対象として、片脚立位時間が歩行自立度に及ぼす影響について検討した。片脚立位時間が15秒以上では全例が独歩自立していたのに対して、15秒を下回る場合、片脚立位時間の減少にしたがって独歩自立例の割合は減少した。⁴⁾

⇒15秒片脚立ちができない場合、歩けなくなってしまう可能性が高まる

片脚立位保持の不可能な症例は、可能な症例、健常者に比べ、ストライド長、ケイデンス、歩行スピード、制動力、駆動力は、優位に低下していた。また両脚支持期率は有意に増加していた。⁵⁾

⇒片足立ちができないと歩きに悪影響を及ぼす

姿勢と片足立ち

体幹の前方への傾きが増すほど、あるいは脊柱の彎曲が増加するほど片脚立位時間が短くなる結果となった。⁶⁾

姿勢が崩れていると、片脚立ちの秒数が短くなりやすい

姿勢と歩行

体幹の前方への傾きが増すほど、あるいは脊柱の彎曲が増加するほど10 m歩行時間が長くなる結果となった。⁶⁾

体幹の前方への傾きが増すほど、あるいは脊柱の彎曲が増加するほど 3 分間歩行距離が短くなる結果となった。⁶⁾

⇒姿勢が崩れていると歩くスピードが遅くなる

片脚立ち・歩行と痛み

腰痛有群と腰痛無群では、男性において、年齢(p=0.013)、開眼片脚立位時間(p=0.04)、Timed Up and Go Test(p=0.02)、5m快適歩行時間(p=0.02)、5m最速歩行時間(p<0.01)が統計学的に有意な差を示した。⁷⁾

腰痛の方は、片足立ちが苦手

男性では腰痛有群では腰痛に加え、高年齢による機能低下が、開眼片脚立位時間、Timed Up and Go Test、5m歩行時間など身体機能に関する項目で、有意に機能低下しているという結果につながったと考えられた。また、膝痛は男性において、5m快適歩行時間、WHO-5得点で2群間での有意な差が確認された。⁷⁾

⇒膝が痛い方は、歩く速度が遅い傾向にある

筋力

女性において膝痛の程度と膝伸展筋力(r=-0.608,p=0.012,n=15)の間にのみ統計学的有意な中等度の相関が確認された。⁷⁾

⇒膝の痛みがある方は、もも前の筋肉が弱い

 

まとめ

今回は【片足立ちができないことによる悪影響】について紹介していきました

片足立ちができないと歩きに悪影響を及ぼす

腰痛の方は、片足立ちが苦手

膝が痛い方は、歩く速度が遅い傾向にある

 

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がじゅまる整骨院院長(加藤由基)

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参考文献

1)建内宏重/小山優美子/黒田隆 他,前期から進行期の変形性股関節症患者における片脚立位・歩行機能に影響を与える要因は何か?,公益社団法人 日本理学療法士協会,第51回日本理学療法学術大会 抄録集,2016

2)小林拓也/池添冬芽/木村みさか 他,地域在住高齢者の歩行開始時および定常歩行時における歩行特性と筋機能・バランス機能との関連,公益社団法人 日本理学療法士協会,2014

3)堅田紘頌/森尾裕志/井澤和大 他,入院高齢患者における前方リーチ距離,片脚立位時間と歩行自立度との関連,公益社団法人 日本理学療法士協会,第44回日本理学療法学術大会 抄録集,2009

4)津田泰路/加嶋憲作/河邑貢 他,片脚立位時間が歩行自立の可否に及ぼす影響~高齢入院患者における検討~,公益社団法人 日本理学療法士協会,第51回日本理学療法学術大会 抄録集,2016

5)村上仁之,変形性膝関節症患者の片脚立位能力と歩行能力の関連性,植草学園,植草学園大学研究紀要2009年1巻p. 23-28

6)坂光徹彦/浦辺幸夫/山本圭彦,脊柱後彎変形とバランス能力および歩行能力の関係,理学療法科学学会,理学療法科学2007年22巻4号p.489-494

7)植田拓也/柴喜崇/栗原翔 他,自主参加型体操グループへ参加している地域在住高齢者における腰痛・膝痛の有無と運動機能および精神的健康の関係,公益社団法人 日本理学療法士協会,2014