変形性膝関節症の姿勢

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前回は【変形性膝関節症になりやすい要因】をご紹介させていただきました。

今回は【変形性膝関節症の姿勢】についてご紹介したいと思います。

 

脊柱と膝の関係

変形性膝関節症では主に膝の痛みが発症しますが、脊柱とも関係が深く、膝の屈曲拘縮がある患者さんは背骨にも問題があることがあります。1-2)

The close relationship between the alignment of the knee and the spine in a standing position can be seen in populations without knee OA. For example, the larger the knee flexion angle when standing, the smaller the lumbar lordosis angle.1)

⇒膝と脊椎との関係は、変形性膝関節症のない集団で見ることができます。立っているときの膝の屈曲角度が大きいほど、腰椎前弯角は小さくなります。

また、変形性膝関節症に限らず、膝の前面(お皿あたり)に痛みがある方も同様、背骨が曲がっている可能性があります。

Individuals with a tendency toward knee flexion or those with patellofemoral joint pain tend to have a smaller anterior tilt of the sacrum.1)

⇒膝の屈曲傾向のある人や、膝蓋大腿関節の痛みのある人は、仙骨の前傾が小さくなる傾向があります

つまり膝が曲がれば背骨も曲がり、姿勢が崩れてしまいます。

 

歩くときに膝を伸ばしましょう

膝が曲がる屈曲拘縮は姿勢を悪くするだけでなく、歩き方に影響が出ます。

In recent years, it has been reported that the more the knee is flexed during the initial contact and/or the loading response, the more likely it is that knee OA will subsequently progress.1)

⇒立脚期初期の接地時に膝が曲がるほど、膝の変形がその後進行する可能性が高くなることが報告されています。

つまり歩くときに膝を伸ばさないと膝に負担がかかります。

 

特徴的なO脚

さらに変形性膝関節症の特徴として膝が外に向いてしまういわゆるO脚になるのが特徴的です。

Theoretically speaking, the increased length of the moment arm in conjunction with the increased knee varus deformity leads to an increased external knee adduction moment (KAM) during gait. KAM is related to the mechanical stress on the medial compartment of the knee.3)

⇒理論的には、膝内反変形の増加に伴うモーメントアームの長さの増加は、歩行中の外部膝内反モーメント(KAM)の増加につながります。KAMは、膝の内側コンパートメントの機械的ストレスに関連しています。

つまり膝が変形することによりどんどん膝がO脚へと進行してしまうようなストレスがかかってしまいます

次回はこれらを含めどうしたら予防できるか?をご紹介したいと思います。

 

まとめ

今回は【変形性膝関節症の姿勢】を紹介させていただきました。

①膝を曲げると背骨も曲がる

②歩くときに膝を伸ばしましょう

O脚は膝に負担をかける

 

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参考文献

1)Tateuchi H. Gait- and postural-alignment-related prognostic factors for hip and knee osteoarthritis: Toward the prevention of osteoarthritis progression. Phys Ther Res. 2019 Jun 20;22(1):31-37. doi: 10.1298/ptr.R0003. PMID: 31289710; PMCID: PMC6599758.

 

2)Goodman SB, Lachiewicz PF, Liu N, Wood KB. Knee or Spine Surgery First? A Survey of Treatment Order for Patients With Concurrent Degenerative Knee and Lumbar Spinal Disorders. J Arthroplasty. 2020 Aug;35(8):2039-2043. doi: 10.1016/j.arth.2020.03.018. Epub 2020 Mar 14. PMID: 32247672.

 

3)Elizabeth A. Sled, Latif Khoja, Kevin J. Deluzio, Sandra J. Olney, Elsie G. Culham, Effect of a Home Program of Hip Abductor Exercises on Knee Joint Loading, Strength, Function, and Pain in People With Knee Osteoarthritis: A Clinical Trial, Physical Therapy, Volume 90, Issue 6, 1 June 2010, Pages 895–904, https://doi.org/10.2522/ptj.20090294