テニス肘:外側上顆炎改善のために

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前回は【テニス肘】:外側上顆炎について書いていきました。

テニス肘:外側上顆炎改善のために

今回は【テニス肘:外側上顆炎改善のために】についてまとめていきます。

肩関節の動きが悪い

肩ROM良好群37名、不良群32名であった。外側上顆炎患者の46.3%が患側の肩関節ROM制限を認めていた。健側で肩関節ROM制限のある者はいなかった(図 1)¹⁾

肩ROM良好群37名、不良群32名であり46.3%が患側の肩関節の可動域制限を認め、そのうち96.8%は内旋制限を認めていた。¹⁾

⇒46%の方は【テニス肘】側の肩の動きが悪くなっており、【テニス肘】でない方の肩の動きが悪くなっている方はいなかった

大胸筋

長引く両側上腕骨外側上顆炎があり破局的思考やうつ病も有していた症例に対して、まず肘関節や手関節の柔軟性に介入し、その後に大胸筋の伸張性改善に介入した。その結果、上肢内旋位や肩甲骨外転率の軽減に伴い、肩2nd肢位3rd肢位の内旋可動域が増大し、疼痛に加えて破局的思考まで改善を認めた。²⁾

⇒胸の筋肉を柔らかくすると可動域が広がり、痛みの改善につながる

上腕の筋肉が硬い

PTのアプローチ第一選択としてECRB等の伸筋群のストレッチを行い即時的な効果はあったが所見に著変なし。再評価し橈骨頭へのアプローチとして回外筋、上腕二頭筋、橈骨頭に対しモビライゼーションを行ったところ症状は改善した。³⁾

⇒上腕二頭筋の硬さも影響する

前腕

上顆炎群は患側自動回外・他動回内、健側自動回外に有意差を認めた。 自動回外で制限がみられた事から、上顆炎群は回外筋等の主動作筋の機能低下により、補助筋である手根伸筋の負荷が増大している可能性が考えられる。また、回内の制限因子である輪状靭帯、外側側副靭帯には上顆炎の要因である短橈側手根伸筋が起始し、更に回外筋等と共同腱となり付着している事から、上顆炎に関与する筋や靭帯の影響を受けている可能性が示唆された。⁴⁾

⇒前腕の可動域が狭くなることが痛みにつながっている可能性がある

伸筋の筋力増強は肘屈曲位の自動運動から始め肘伸展位の抵抗運動まで負荷量を増加した。筋力増強に重点を置いた運動処方は外上顆の痛みや圧痛が著明に減少し、伸筋筋力は健常レベルとなったことから、外上顆痛を主症状とする病期には効果的であると考える。⁵⁾

⇒前腕の筋肉を鍛えることで痛みの緩和につながる可能性がある

指の使い方

実験2の結果で第123指把持が第145指把持に対して握力体重比、筋活動量とも有意差を認めた。ECRBの筋の停止部は第3中手骨底の背側面であるので第123指で把持した場合、強く握れば握る程、CM関節の固定作用が高まり第145指把持に対して有意差を認めたと思われる。上腕骨外側上顆炎に対する治療は、ECRB起始部へのストレスを軽減させ、疼痛緩和をはかることが重要である。その予防効果には手関節の角度はさほど関係なく、過度に第123 指で握り過ぎないことでECRBの筋力、筋活動量が抑制され予防につながることが示唆される。⁶⁾

⇒過度に親指・人差し指・中指で握りすぎると、肘の痛みにつながる可能性がある

股関節の硬さ

上肢機能障害を生じている症例には、肩甲帯や体幹、股関節などの局所以外の関節などにも問題が生じている可能性が考えられ、上腕骨外側上顆炎と股関節のROM制限についても関連している可能性が考えられる。⁷⁾

⇒肘の痛みにも、肩甲骨周囲・体幹・股関節など患部以外の問題も悪影響を及ぼす可能性がある

座り姿勢での作業

姿勢により疼痛の変化がある例は15例中12例であった。また、15例中11例において外旋と疼痛での関係性が一致した。このことから、姿勢により疼痛が変化するものは、姿勢により上肢に負担が増加し、疼痛を引き起こすひとつの要因となっている可能性があると考えられる。15例の中で座位が一番疼痛が強いものは8例であった。今回の結果では、座位姿勢が上肢にかかる負担が一番強く、不良座位での仕事等が負担になっていると予測される。⁸⁾

⇒座った姿勢での作業は手の痛みが出やすい

全症例において疼痛側に体重移動を行うことで痛みの軽減がみられ、体幹にアプローチを行うことでさらに痛みの軽減がみられた。日常生活において疼痛側の上肢にて作業を行うときに非疼痛側に荷重をしていることが多いのではないかと考えられる。また、体重移動を行うことで坐骨での支持ができ体幹に対してアプローチを行うことで肩甲帯、上肢での負担が少なくなるのではないかと考えている。これらのことから、中枢の安定性が低下することで末梢の負担が大きくなり上腕骨外側上顆にストレスがかかり痛みが生じたと考えている。日常生活動作において重心移動を意識して行うこともホームエクササイズの一つとして重要になってくる。⁹⁾

⇒座って作業する際痛みがない側へ荷重を逃がしている可能性があり、痛みがある側へ荷重を移動することで痛みが軽減する場合がある

姿勢が悪くなると痛みにつながりやすい

上腕骨外側上顆炎においても姿勢の関与による負担増加が示唆される。コアスタビィリティの低下や下肢の安定性低下により、不良姿勢が起こされる。その不良姿勢により、上部体幹部、大胸筋、大円筋等に負担がかかり、外旋角度が低下したと考えられる。肩甲骨周囲の緊張増加により2関節筋である上腕二頭筋、上腕三頭筋の緊張も高まり、肘関節においての単関節筋の収縮が入りにくくなる。さらに多関節筋が優位な状態になる。これらにより、肘関節の安定化は得られず、靭帯や筋への負担が増加することにつながる。これらのことにより、ストレスを受け疼痛につながったと考えられる。⁸⁾

⇒姿勢が悪くなると痛みにつながりやすいため、体幹や下半身も鍛えるとよい

まとめ

今回は【テニス肘:外側上顆炎改善のためにについて紹介していきました

・肩の動きが悪くなるとテニス肘になりやすい

・肘の痛みには、肩甲骨周囲・体幹・股関節など患部以外の問題も悪影響を及ぼす可能性がある

・姿勢が悪くなると痛みにつながりやすいため、体幹や下半身も鍛えるとよい

 

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がじゅまる整骨院院長(加藤由基)

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参考文献

1)宮澤諒/中村恒一/松葉友幸 他,上腕骨外側上顆炎と肩関節可動域の関係,日本肘関節学会,日本肘関節学会雑誌,2019年26巻2号p.195-198

2)稲垣郁哉/柴伸昌,大胸筋ストレッチにより疼痛の破局的思考やうつ傾向も改善した両側上腕骨外側上顆炎の一症例,理学療法科学学会,理学療法科学,2021年36巻5号p.743-746

3)松本渉/鈴木厚太/竹内大樹 他,O-058 橈骨頭の動態に着目し症例改善を認めた上腕骨外側上顆炎の一症例,日本理学療法士協会関東甲信越ブロック協議会,第35回関東甲信越ブロック理学療法士学会,2016

4)北村望美/鍋島雅美/君塚実和子 他,O-002 上腕骨外側上顆炎患者と健常者との関節可動域の比較,日本理学療法士協会関東甲信越ブロック協議会,第36回関東甲信越ブロック理学療法士学会,2017

5)鈴木克彦/長谷川博一/小田知矢 他,上腕骨外上顆炎の運動療法 ストレッチ運動と筋力増強運動との比較,山形県立保健医療大学,山形保健医療研究 巻5,p.63-68,発行日2002-03

6)山口亮治,握力測定を行った時の上腕骨外側上顆炎の原因となる短橈側手根伸筋の筋活動量の割合 表面筋電図を用いた評価,公益社団法人 日本理学療法士協会 九州ブロック会,九州理学療法士学術大会誌,2021

7)金子翔拓/林弘樹/西本亮 他,上腕骨外側上顆炎例の股関節可動域,株式会社南江堂,整形外科Volume72,Issue11,1144-1146(2021)

8)斉藤嵩,上腕骨外側上顆炎に対する姿勢からの1考察 姿勢によりかかる上肢の負担,日本理学療法士協会,第45回日本理学療法学術大会 抄録集,2010

9)井熊良一,座位姿勢による把握時痛の変化,日本理学療法士協会関東甲信越ブロック協議会,第30回関東甲信越ブロック理学療法士学会,2011