テニスで起こる腰痛に関して

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今回はテニスで起こる腰痛の話をしていきたいと思います。

まとめ↓

○姿勢を良くして腰への負担を減らす

○腰は反ったり捻ったりするのが苦手

○コンディショニングに取り組むことが必要

テニスにおける腰痛の割合

日常生活や様々なスポーツでもたびたび起こる腰痛ですが、テニスではどのぐらいの割合で起こるものでしょうか。

2003年から2012年までのウィンブルドン選手権のテニス傷害データ1)を参考に見てみると男性選手では13%、女性選手では12%を締めています。

その中でも繰り返す動作(ストローク、サーブ)等による椎間板の変性が多いようです。2,3)

ではどのようにすると椎間板周りに負担がかかり、変性を起こしていくのでしょうか?

 

椎間板による痛み

椎間板はほぼ水分でできており、衝撃吸収材の役割を果たしています。

農家さんの腰痛改善・腰痛対策 – BC-body 新着情報にも記述されていますが、前かがみ姿勢、猫背はこの椎間板に負荷をかける姿勢となっており、この背骨を丸める事自体が椎間板の変性を招く姿勢となっています。

テニスでの構えの姿勢で背中を丸めると腰を痛めやすくなるのはこのような事が関係します。

ちなみ椎間板変性の原因は、遺伝70%、職業、スポーツその他の要素30%とほぼ遺伝によるものとされており、ほとんどの方が椎間板が変性しているとも言えます。

こういった損傷や変性が起こると、正常な椎間板では見られない、椎間板の中に神経組織が入り込み、さらに腰を曲げる動作を続けるとそこに炎症が起こり腰痛が続いていきます。

つまり、一度椎間板変性を起こすともとには戻りませんが、姿勢を良くして椎間板に負担をかける事自体を抑えることができれば痛みは抑えられる可能性があります。

 

椎間関節障害

続いて椎間関節についてです。

先ほどの椎間板は骨と骨の間にある緩衝材でしたが、椎間関節は骨です。上の骨と下の骨がうまく連動するように繋がっている関節部分となります。

関節部分では「曲げる、反る、横に倒す、捻る」などの動きができます。

テニスではどの動きを多用するでしょうか?サーブだと反り、横倒し、ストロークを考えると捻りでしょうか?

 

実は先ほど様々な動きができるという話をしましたが、事「捻る」に関しては他の動きと比べると著しく可動範囲が狭くなります。

そして「反る」に関しても15°とこちらも可動範囲が狭いです。

また、腰を捻った時に椎間関節がどのように動くか見てみると、捻った際に片側の骨の隙間がなくなるのが見えると思います。

見た通り腰を捻ると片側の関節の余裕がなくなり押しつぶされる形となります。

これを繰り返し起こすことで関節に変性が起こり、腰痛になるとされています。

つまり腰の骨は可動範囲を超えてしまうと骨同士がぶつかり腰痛につながる可能性が高くなっていきます。

 

ではどうすればよいか?

腰に負担をかける要素としては腰骨周りの不安定化や筋力の不均衡化が挙げられています。2-4)

また股関節周囲筋の短縮等も骨盤-腰の状態に関連するため股関節や背骨の柔軟性が必要になります。2ー4)

つまり体幹周りを鍛える事と柔軟性をあげるマッサージやストレッチなどに取り組むコンディショニングを行うことが大切になります。

 

背骨周りのストレッチ↓

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股関節周りのストレッチ↓

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寝たきりの寿命ではなく、健康寿命をのばすためにぜひ取り組んでみてください!

 

いつまでも歩き続けるためにはまず身体が健康でなければなりません!

上記を意識して疾患を一緒に予防しましょう!

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参考文献

1)McCurdie I, Smith S, Bell PH, Batt ME. Tennis injury data from The Championships, Wimbledon, from 2003 to 2012. Br J Sports Med. 2017 Apr;51(7):607-611. doi: 10.1136/bjsports-2015-095552. Epub 2016 Jan 11. PMID: 26755678; PMCID: PMC5384430.

2)Dines JS, Bedi A, Williams PN, Dodson CC, Ellenbecker TS, Altchek DW, Windler G, Dines DM. Tennis injuries: epidemiology, pathophysiology, and treatment. J Am Acad Orthop Surg. 2015 Mar;23(3):181-9. doi: 10.5435/JAAOS-D-13-00148. Epub 2015 Feb 9. PMID: 25667400.

3)Fiani B, Jarrah R, Wong A, Alamah A, Runnels J. Repetitive Traumatic Discopathy in the Modern-Era Tennis Player. Cureus. 2020 Aug 16;12(8):e9783. doi: 10.7759/cureus.9783. PMID: 32953299; PMCID: PMC7491697

4)成田崇也.成田崇也の臨床腰痛.運動と医学の出版社.2023.

5)Suzuki H, Kanchiku T, Imajo Y, Yoshida Y, Nishida N, Taguchi T. Diagnosis and Characters of Non-Specific Low Back Pain in Japan: The Yamaguchi Low Back Pain Study. PLoS One. 2016 Aug 22;11(8):e0160454. doi: 10.1371/journal.pone.0160454. PMID: 27548658; PMCID: PMC4993356.