変形性膝関節症-関節が硬くなる-

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がじゅまる整骨院の加藤です。自己紹介【加藤由基】

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今回は【変形性膝関節症-関節が硬くなる-】をご紹介したいと思います。

変形性膝関節症

日本は老年人口比率が2007年に21%を超え、今や3割に達しようとする超高齢社会となっています。超高齢社会の到来は疾病構造を変化させ、運動器疾患では運動器障害による移動機能低下-ロコモティブシンドロームに日本は直面しています。その主たる疾患の一つである変形性膝関節症は、約800万人が疼痛や硬さ、腫れなど何らかの症状を有しており、X線学的な関節症変化は約2500万人に存在し、40歳以上で有病率が約55%、有症状者が1800万人に達するといわれ、要介護への移行リスクが約6倍あることが指摘されています。変形性膝関節症は個人の日常生活のみならず、社会の経済活動や医療・福祉政策に多大な影響を与えており、その克服は日本の喫緊の課題といえます。¹⁾

⇒膝が痛い方は、変形性膝関節症が主な疾患の1つ

⇒介護が必要になる危険性が約6倍ある可能性

2050年の平均寿命

一方、平均寿命は2050年には女性で90歳、男性で84歳に達し、100歳以上の高齢者は約70万人に上ると予想されています。¹⁾

⇒26年後には平均して女性が90歳・男性が84歳まで生きるとも言われ、100歳以上の人口が70万人近くなると予想されている

関節の動きを柔軟に保とう!

変形性膝関節症では筋萎縮や筋短縮さらには筋緊張亢進が起こり、その結果、関節可動域の減少や疼痛などが観察される。²⁾

⇒変形性膝関節症の方は、関節の動きが硬くなりやすい

動かさずにいると痛みやすい

運動器の外傷や外科術後などに生じる痛みが顕著な場合や持続して認められる場合は、患部やその周囲は運動を回避し、不動状態となる。また、傷害部位の治癒促進を目的に行われるキャスト固定などは不動状態を強いることになる。すると運動器、中でも可塑性に富んだ骨格筋は筋萎縮や筋性拘縮、筋痛など、重複化、重篤化した病態を呈し、これらは慢性疼痛の病態形成にも影響を及ぼす。加えて、不動そのものが痛みの増悪や新たな痛みの発生といった慢性疼痛の病態形成に直接的に影響することも最近明らかになっている。³⁾

⇒動かさずにいると、固まってしまうことで痛みにつながる

ギプスなどを用いた局所の不動や過度な安静に伴う全身の不動は、慢性疼痛の発生・進行にかかわるリスクファクターといえ、その病態形成に影響を及ぼしていることは間違いない。そして、最近は不動に由来した痛みを不動性疼痛(immobilization-induced pain)と呼称するようになっており、その存在は周知の事実となりつつある。³⁾

ギプス固定や長期臥床などによる関節不動化は、疼痛発生の原因になっていることが明らかとなってきており、その発生予防は重要な理学療法の目的となる。⁴⁾

⇒ベットで寝ている時間が長く動かさなくても、痛みにつながりやすい

膝の曲げ伸ばしが硬くなる

膝関節可動域は伸展、屈曲方向に制限があって、大腿周径は患側では1cm以上の筋萎縮を認める。¹⁾

膝OA群では膝関節筋筋厚変化率と膝伸展ROM、VAS、K/L分類との間に有意な相関関係を認めたことから、膝関節筋の機能不全は膝伸展ROM制限や疼痛などの症状と関連し、膝OAの進行とも関係があると考えられる。⁵⁾

ロコモ度が高いほど、膝伸展制限があり、ADL満足度は低く、歩行時痛が高値を示す結果となった。これらの項目は活動量を低下させる要因となるため、ロコモ度別に有意な差が認められたと推察する。また、年齢とロコモ度は関連があるといわれているが、今回は膝に疼痛がある患者を対象に行ったため、年齢に有意差が見られなかったと考える。⁶⁾

⇒膝の変形があると、曲げ伸ばしがしにくくなる

ロコモとは?

「ロコモティブシンドローム」 (運動器症候群) とは、骨・関節・筋肉・腱・靱帯・神経・脊髄、筋肉など運動器と呼ばれる器官の働きが衰えて「歩いたり」「立ったり」といった動作が困難になり、要介護や寝たきりになってしまうこと、または、そのリスクが高い状態のことです。 略して“ロコモ”といいます。⁷⁾

⇒体(運動器)が衰え日常動作が困難になり、寝たきりや要介護になったりその危険性が高い状態のこと

膝が曲がるよう保ちましょう

膝屈曲ROMの中央値は男性130°、女性120°であり、膝伸展ROMの中央値は-5/-10°(Grade3/Grade4)であった。結論:TKA前の筋力低下とROM制限の程度を明らかにした。本研究で得られた知見は、膝OA患者の機能低下を解釈する際の一助になると考える。⁸⁾

重度膝OA患者におけるTKA前の膝屈曲ROMの中央値は男性で130°、女性で120°であり、ADL障害が出現するとされている膝関節屈曲角度よりも大きかった。⁸⁾

膝OA患者に対するリハビリテーションでは、膝屈曲ROMを120°以上に維持することが目標のひとつとなっている。⁸⁾

⇒膝が120°以上曲がらないと日常生活に悪影響を及ぼす可能性がある

女性の方が痛みが強い傾向がある

女性は膝関節を酷使することが多く、疼痛が強いため、重度膝OA患者におけるTKA前の膝屈曲ROM制限は女性のほうが強くなったものと考えられる。⁸⁾

⇒女性では膝の負担がかかりやすいため、痛みが強く関節の動きも硬くなりやすい

正座

正座の習慣の有無と性別との関連において、女性では習慣ありが215人(72.6%)、なしが81人(27.4%)、男性では習慣ありが111人(56.3%)、なしが86人(43.7%)と女性が男性に比べて習慣ありの割合が有意に大きく(p<0.001)、オッズ比は2.06であった。本研究の結果から、膝痛のある中高年者の中で、女性は男性に対して正座の習慣のある人の割合が大きく、その習慣がない人の中でも正座が困難なために普段の正座を控えている人の割合が大きいことが示唆された。既に膝痛のある人にとって、正座の習慣を続けることは膝痛の改善を妨げ、変形性膝関節症の発症や症状の進行のリスク要因となる可能性が考えられ、習慣や住環境など国際生活機能分類(ICF)でいうところの背景因子への働きかけを含めた地域での保健活動が必要と考えられる。⁹⁾

⇒すでに膝痛のある方が、習慣的に正座をしていると痛みが改善しにくい可能性がある

まとめ

今回は【変形性膝関節症-関節が硬くなる-】について紹介していきました

高齢で膝が痛い方は、変形性膝関節症が主な疾患の1つ

膝の変形があると、曲げ伸ばしがしにくくなる

日常生活に悪影響が出ないため、膝が120°以上曲がるように保ちましょう

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この記事を書いた人↓↓

がじゅまる整骨院院長(加藤由基)

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参考文献

1)日本整形外科学会,変形性膝関節症診療ガイドライン,変形性膝関節症診療ガイドライン 2023 策定組織

2)鈴木重行.関節可動域の改善,日本理学療法士協会,第35回全国研修会 第27巻研修会特別号 No.3,2000

3)沖田実/本田祐一郎/田中なつみ 他,慢性疼痛の病態形成における不動の影響―筋萎縮,筋性拘縮,筋痛のメカニズムも踏まえて―,公益社団法人 日本リハビリテーション医学会2021年58巻11号p.1221-1228

4)肥田朋子,榊原拓哉/沖向雄也 他,関節不動化による関節可動域制限と疼痛発生に対するストレッチングの効果,名古屋学院大学,名古屋学院大学論集医学・健康科学・スポーツ科学篇第1巻第2号pp.1-9

5)齊藤明/岡田恭司/斎藤功 他,変形性膝関節症における膝関節筋の機能 膝関節可動域・疼痛・重症度との関係,公益社団法人 日本理学療法士協会,第49回日本理学療法学術大会 抄録集,2014

6)江口美咲樹/宮坂祐樹/濱崎圭祐 他,変形性膝関節症患者のロコモ度別における機能的特徴―膝関節可動域,疼痛,筋力に着目して―,日本理学療法士協会関東甲信越ブロック協議会,第38回関東甲信越ブロック理学療法士学会,2019

7)金子和夫,ロコモティブ症候群って何?, 順天堂医学会,第28回都民公開講座《スポーツと健康》2011年57巻5号p.449-455

8)天野徹哉/玉利光太郎/内田茂博 他,変形性膝関節症患者における人工膝関節全置換術前の筋力低下と関節可動域制限,社団法人 日本リハビリテーション医学会,2017年54巻5号p. 384-391

9)古西勇,地域における膝痛のある中高年者の正座習慣に関する性別による違い,日本理学療法士協会,第45回日本理学療法学術大会 抄録集,2010