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がじゅまる整骨院の加藤です。自己紹介【加藤由基】
BC-bodyでは【予防医学】の観点から
いつまでも自分の足で歩き続けることができる身体づくりを提供いたします。
前回は【尿漏れの概要】についてまとめていきました。
・女性では、35~50%ほどの方が悩んでいる
・骨盤底筋のトレーニングが推奨されている
・呼吸改善や胸椎・股関節周囲筋をほぐすことも尿漏れ改善につながる可能性がある
・肥満・生活習慣病を防ぐ運動習慣も重要
今回は【尿漏れ改善のポイント・エクササイズ】をご紹介したいと思います。
骨盤底筋群を鍛えましょう!
【BCを受けていただいてる皆さま】
「おしっこを我慢するようにお尻の穴を締めて~」聞き覚えはありませんか?
1940年代にアメリカの産婦人科医ケーゲルが骨盤底筋を収縮させることで産褥期の尿失禁を防止できることを報告している。¹⁾
中でも骨盤底筋運動は、時間や場所に拘束されず、いつ・どこでも実践可能であり、安全性と完治率が高いことから医療機関受診前の一次治療法として推奨される。運動の導入に当たっては、骨盤底筋運動のみならず減量を目的とした運動、歩行機能改善運動、Gボール運動、足趾運動などを取り入れることによって尿失禁の予防・改善効果はさらに高くなる可能性がある。²⁾
下部尿路機能障害のリハビリテーションとしての行動療法には、生活指導、理学療法、計画療法、補助療法がある。生活指導には、食事と運動療法による体重減少、禁煙、食事、飲水指導、便秘の改善などがある。理学療法には、骨盤底筋訓練があり、腹圧性尿失禁の第一選択であるが、切迫性尿失禁、混合性尿失禁にも有効である。膀胱訓練は、尿を我慢させることにより、蓄尿症状を改善させる方法で、過活動膀胱における行動療法の第一選択である。広義の膀胱訓練として、定時排尿、排尿習慣法、排尿促進法とあわせて計画療法という。³⁾
⇒まず骨盤底筋群を鍛えましょう!
✅背筋を伸ばし座った姿勢で呼吸を繰り返しながらお尻の穴を締める意識をしましょう!
バリエーション:丸めたタオルをお尻で引き上げるように意識することで収縮の感覚を促せます
⁴⁾
認知度
治療経験がある利用者は31.4%、ない利用者は68.6%だった。治療法の認知度は尿失禁がある者でも「知らない」が43.9%、ない者では84.4%にもなった。骨盤底筋運動に参加する意思に関しては尿失禁がある者で92.2%、ない者は65.6%が、参加意思があると答えた。⁵⁾
⇒尿漏れでお悩みの方も4割ほどの方は知らない
尿漏れがある方は骨盤底筋の感覚も分かりづらい
若年女性における骨盤底挙上量は、軽度SUI群が3.3±5.6mm、尿失禁なし群が9.1±5.1mmであり、軽度SUI群は尿失禁なし群に比べて骨盤底挙上量が有意に小さかった(p<0.05)。⁶⁾
本人の筋肉収縮の感覚と実際の骨盤底筋の収縮には両群に差が有った。また、失禁群には収縮感覚が分からない者が多かった。⁷⁾
⇒尿漏れのある方は感覚が分からず、骨盤底が上がる量も少ない
回数と収縮時間
結果、腹圧性尿失禁の発症に対する有意な要因として、分娩経験(オッズ比:2.694、95%信頼区間:1.058-6.859)および骨盤底筋群の収縮持続時間(0.861,0.777-0.954)が抽出された。今回、収縮持続時間の短縮も抽出されたことから、収縮持続時間に関与すると考えられる骨盤底筋群の遅筋線維が腹圧性尿失禁の防止に重要な役割をもつことが示唆された。骨盤底筋群を強化する際には、収縮持続時間の延長を促すことで腹圧性尿失禁の効果的な改善につながる可能性が示唆された。⁸⁾
初回評価時には骨盤底筋の解剖学的な位置関係を図や模型を利用して説明し、骨盤底筋を随意的に収縮させる感覚を習得するための時間を設けた。前半5週間のホームエクササイズは、坐位で行い、6秒間収縮12秒間弛緩を10回、できるだけ速く強い収縮を10回、6秒間収縮12秒間弛緩を10回の計30回の収縮を 1セットとして、1日に3セット(計90回の骨盤底筋の収縮)を実施した。また、後半5週間のホームエクササイズは、臥位、坐位、立位のそれぞれの姿勢で、6秒間収縮12秒間弛緩を10回、できるだけ速く強い収縮を10 回、6秒間収縮12秒間弛緩を10回(計90回の収縮)と、骨盤底筋を収縮させてからしゃがみ込む動作を10 回実施した。また、施設での運動指導を週1回(60分間)実施し、ホームエクササイズ実施状況の確認を中心に、臥位、坐位、立位の姿勢で骨盤底筋を収縮させる運動を行った。最終評価で尿失禁が無くなったと回答した者は14名中6名(42.9%)と高い割合を示した。尿失禁の頻度が減少した者を含めると92.9%に改善を認めた。¹⁾
⇒1日90回の様に回数と収縮時間も意識して鍛える必要がある
体重コントロール
体重減少 推奨グレード:A⁹⁾
体重増加、BMIと尿失禁との関係については多数の報告があり、食事と運動療法による体重減少により、対照に比べて有意に尿失禁が減少する。(レベル1)⁹⁾
⇒①体重減少と②骨盤底筋訓練は【行うことを強く勧められている】
ほぐす
過緊張を呈した筋群へのリリースに焦点を当てた介入は、骨盤底筋群の収縮不全で失禁に悩む妊婦に対して、安全に収縮機能改善に繋がることが示唆された。¹⁰⁾
椅子座位または長座位で65mm×75mmのシリコーン製ボール(株式会社早稲田エルダリーヘルス事業団、東京)を肛門外側に置き、ボールの上に座るように自重をかけて骨盤底筋を圧迫する方法とし、専門的な知識や技術を持たなくとも自分自身で簡易的に実施できる方法とした。N-of-1試験における検討では、SM効果の一貫性は認められなかったものの、3分の1以上の対象者の尿失禁自覚症状の改善が確認された。¹¹⁾
⇒筋肉をほぐすことでも改善につながる可能性がある
インナーユニット
超音波画像診断装置を用いて腹横筋厚、多裂筋横断面積、骨盤底拳上量を測定した。尿失禁群はすべての筋で、同時収縮および抵抗運動で非尿失禁に比べ有意に低値を示した。¹²⁾
骨盤底筋群は体幹の底部に位置し、腹横筋、横隔膜、多裂筋とともに体幹の動的安定化の役割を担ってい る。したがって骨盤底筋群の筋機能だけでなく、インナーユニット全体の評価を行うことが重要である。⁴⁾
インナーユニットは協同運動しており、特に抵抗運動時の骨盤底挙上量の低下は腹圧性尿失禁のリスクファクターであることが示唆された。さらに、抵抗運動時の骨盤底挙上量が4.88 mm以下である場合は腹圧性尿失禁の可能性が著しく高いことが示唆された。¹²⁾
骨盤底筋群への評価・アプローチが尿失禁をはじめとする泌尿器・婦人科領域の問題を改善させるだけでな く、体幹機能不全を有す腰痛症や脳血管障害症例に対する体幹のスタビライズを目的としたアプローチとして幅広く普及していくことを期待したい。⁴⁾
⇒骨盤底筋群のみでなく、インナーユニットの機能を上げていきましょう!
エクササイズ
①
② ⇒⁴⁾
③²⁾
腰痛との関連
その他の要因として、慢性腰痛との関連が挙げられる。本研究において、十分な効果が得られなかった対象者の6割以上が慢性腰痛を有していた。¹¹⁾
⇒インナーユニットを鍛えましょう!
まとめ
今回は【尿漏れ改善のポイント・エクササイズ】について紹介していきました
・まず骨盤底筋群を鍛えましょう!
・①体重減少と②骨盤底筋訓練は【行うことを強く勧められている】
・骨盤底筋群のみでなく、インナーユニットの機能を上げていきましょう!
・回数と収縮時間も意識して鍛える必要がある
⇧の運動をやっているのがBCです!!是非継続していきましょう💪
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参考文献
1)大西徹郎/佐々木阿悠佳/橋本真一,尿失禁に対する骨盤底筋訓練の効果の検証,公益社団法人 日本理学療法士協会,第47回日本理学療法学術大会 抄録集,2012
2)金憲経/大須賀洋祐/南方和美 他,尿失禁対策としての骨盤底筋運動の実際,一般社団法人日本体力医学会,体力医学2022年71巻3 号p.279-286
3)山西友典,加賀勘家,布施美樹,排泄機能のリハビリテーション(臓器リハビリテーションの最前線),獨協医科大学,Dokkyo Journal of Medical Sciences43(3),213-217,2016-10-25
4)田舎中真由美,骨盤底筋群機能障害に対する評価とアプローチ,公益社団法人 日本理学療法士協会,理学療法学2008年35巻4号 p.212-215
5)畠山千春/澤谷晴香,通所リハビリテーション利用者における尿失禁のアンケート調査報告,日本理学療法士学会,第50回日本理学療法学術大会 抄録集,2015
6)森奈津子/池添冬芽/建内宏重 他,若年女性および高齢女性の骨盤底筋機能と腹圧性尿失禁の関連,日本理学療法士協会,第46回日本理学療法学術大会 抄録集,2011
7)長島玲子/蔵本美代/酒井康生 他,中年女性の骨盤底筋訓練における収縮時の収縮感覚と筋運動について,島根県立看護短期大学,島根県立看護短期大学紀要 11 9-18, 2005-12-25
8)松野悟之/岡山久代/二宮早苗 他,体外式バイオフィードバック装置を用いた女性の骨盤底筋群の機能と腹圧性尿失禁の関連性の検討, 看護理工学会, 看護理工学会誌2016 年 3 巻 1 号 p. 43-49
9)日本排尿機能学会/日本泌尿器科学会/日本女性骨盤底医学会,女性下部尿路症状診療ガイドライン【第2版】,2019
10)布施陽子,尿失禁を呈する妊婦へ筋リリースに着目した介入による骨盤底機能変化, 一般社団法人 日本運動器理学療法学会,運動器理学療法学,2022年
11)大西安季/荒木邦子/岡浩一朗 他,腹圧性尿失禁を有する中年女性の骨盤底筋に対するセルフマッサージの効果:多層ベースラインデザインによる予備的研究,日本健康支援学会,健康支援2022年24巻2号p.167-174
12)生方瞳/丸山仁司/霍明,中高年女性における腹圧性尿失禁症状とインナーユニット機能との関係性,日本理学療法士学会,理学療法学2017年44巻5号p.348-356