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がじゅまる整骨院の加藤です。自己紹介【加藤由基】
BC-bodyでは【予防医学】の観点から
いつまでも自分の足で歩き続けることができる身体づくりを提供いたします。
前回は【睡眠不足と体への悪影響】について書きました。
今回は【睡眠の質を上げるためには?】をご紹介したいと思います。
厚生労働省が睡眠の質のためのポイントを12個挙げています。
健康づくりのための睡眠指針 2014~睡眠12箇条~
1.良い睡眠で、からだもこころも健康に。
2.適度な運動、しっかり朝食、ねむりとめざめのメリハリを。
3.良い睡眠は、生活習慣病予防につながります。
4.睡眠による休養感は、こころの健康に重要です。
5.年齢や季節に応じて、ひるまの眠気で困らない程度の睡眠を。
6.良い睡眠のためには、環境づくりも重要です。
7.若年世代は夜更かし避けて、体内時計のリズムを保つ。
8.勤労世代の疲労回復・能率アップに、毎日十分な睡眠を。
9.熟年世代は朝晩メリハリ、ひるまに適度な運動で良い睡眠。
10.眠くなってから寝床に入り、起きる時刻は遅らせない。
11.いつもと違う睡眠には、要注意。
12.眠れない、その苦しみをかかえずに、専門家に相談を。¹⁾
運動習慣
適度な運動を習慣づけることは、入眠を促進し、中途覚醒を減らすことにもつながります。¹⁾
歩数計と印刷物を用いた12か月間の歩行運動介入は、高歩行運動群すなわち介入期間中の歩数増加を維持した対象において、日中の眠気および睡眠の質に対する改善効果を有することが示唆された。また、その改善効果は介入12か月後になって初めて確認された項目がほとんどであった。このことから、高齢者の日中の眠気および睡眠の質改善を目的として歩行運動を処方する場合には、介入期間中の歩数増加を維持させ、かつ12か月間程度の長期的な介入を実施する必要があることが示唆された。²⁾
本研究で用いられた運動習慣(1回30分以上の低~中強度の有酸素性運動を週2日以上の頻度で3ヶ月以上実施)を有する中高年女性の特性として、同地区同年代の運動習慣の無い女性に比して睡眠習慣の規則性が高く、かつ睡眠維持が良好な状態にあることが確認された。³⁾
習慣的に運動を行っていると回答した大学生は、行っていない者に比較して「寝つきがよい 」割合が有意に高かった⁴⁾
⇒運動習慣は睡眠の質を高める
朝食
しっかりと朝食をとることは朝の目覚めを促します。¹⁾
⇒朝食をとることは目覚めを良くする
飲酒と喫煙
就寝前の飲酒や喫煙はかえって睡眠の質を悪化させるため、控えた方がよいでしょう。¹⁾
⇒就寝前の飲酒と喫煙は、睡眠の質を悪化させるため推奨はされない
ストレッチ
睡眠の質の維持改善を狙いとして開発した短時間ストレッチ運動プログラムの就床直前の実施効果検証のために、40~66歳の女性勤労者を対象に無作為化比較試験を実施し、以下の結果を得た。睡眠の評価指標に関して、平日の入眠潜時の変化量に有意な介入効果を認め、介入群における入眠潜時の短縮は対照群よりも大きかった。⁵⁾
⇒ストレッチは、寝入りを良くする可能性がある
低強度・短時間のストレッチ運動が睡眠およびストレス反応に及ぼす効果について軽度睡眠障害者を対象に検討し、唾液IgAの反応およびレム睡眠の出現状況に運動の影響が生じる成績を得た。⁶⁾
安静条件時および運動実施時のいずれも起床時には睡眠前よりも高値となったことから、睡眠中にストレス反応が緩和されたことがうかがわれる。そして、運動実施時のIgAの増加に着目すれば、睡眠によるストレス緩和作用はストレッチの実施によって亢進された可能性が考えられる。レム睡眠出現ケース数は両施行間で有意差を認め、安静条件時に比べて運動実施時に多かった。安静条件時および運動実施時における唾液中IgA は時間経過に伴って増加し、睡眠後の増加レベルは運動実施時でより大きかった。以上より、就寝前のストレッチ運動の実施は、軽度睡眠障害者のレム睡眠の出現を促し、ひいてはストレス軽減をもたらす可能性が示唆された。⁶⁾
⇒睡眠によるストレス緩和作用は、ストレッチの実施によって促される可能性がある
寝具
本研究結果は、61〜66歳の被験者では、普段使用している寝具に比べEMCにおいて、アクティグラフで測定された活動量から推定した睡眠指標で、睡眠効率が高く(pく0.05)、入眠後の中途覚醒の総時間(WASO)が短縮し(p<0.05)、3分以上持続する中途覚醒の回数(WASO3)が少なく〔pく0.05)、5分以上持続する中途覚醒の回数(WASO5)が少ない傾向(pく0.10)を示した。また、入 眠潜時も短縮(pく0.05)し、EMCを用いることで、入眠および睡眠維持に関して良好な睡眠が得られていた。⁷⁾
今回使用したEMCに限らず普段使用している寝具よりも寝返りしやすく寝心地の良い寝具であれば同様の結果が得られるものと考える。⁷⁾
⇒寝がえりのしやすいマットレスを使うことで、睡眠の質が上がる可能性がある
入浴
就寝0~30分前において、シャワー浴条件よりも全身浴条件で副交感神経系が優位になることが明らかになった。運動後の全身浴は、亢進した交感神経系を鎮静させ、副交感神経活動亢進への転換を促す、それにより結果的に入眠潜時の短縮が引き起こされる可能性が示唆された。⁸⁾
⇒シャワーよりも湯船につかる方が、寝入りを良くする可能性がある
過体重・肥満
睡眠時無呼吸症候群は、過体重や肥満によって、睡眠時に気道(喉の空気の通り道)が詰まりやすくなる、発症したり、重症化したりします。睡眠時無呼吸症候群の予防のためには、肥満にならないことが大切です。¹⁾
⇒肥満は【睡眠時無呼吸症候群】につながりやすく、睡眠の質を下げる可能性がある
太陽の光を浴びよう!
1 日の覚醒と睡眠のタイミングを司っている体内時計は、起床直後の太陽の光を手がかりにリセットし、1 日の時を刻んでいます。光による朝のリセットが毎朝起床直後に行われないと、その夜に寝つくことのできる時刻が少しずつ遅れます。¹⁾
⇒起床直後に太陽の光を浴びることで、【体内時計】をリセットしましょう
リズムを保ちましょう
若年世代では、平日と比べて、休日は起床時刻が 2〜3 時間程度遅くなることが世界的に示されています。これは平日の睡眠不足を解消する意味がありますが、一方で体内時計のリズムを乱すことから、休日後、登校日の朝の覚醒・起床を困難にさせることになります。起床時刻を 3 時間遅らせた生活を 2 日続けると、高校生では体内時計が 45 分程度遅れることがわかっています。¹⁾
⇒起床時刻を 3 時間遅らせた生活を 2 日続けると、高校生では体内時計が 45 分程度遅れる
記録を付ける
不眠に対する非薬物的アプローチとして、不眠に対する認知行動療法(CBT-I)が有効であることがこれまで多くの研究で示されている。CBT-Iは、睡眠に関する不適切な生活習慣を修正するとともに、睡眠に対する過度の不安やとらわれを軽減することによって不眠の改善を図る心理的アプローチである。最近では、睡眠日誌、睡眠衛生教育、睡眠スケジュール法などを中心にした簡易型の睡眠認知行動療法プログラム(以下、簡易型CBT-I)が開発され、臨床場面や職域において有意な不眠改善効果が示されている。また、簡易型CBT-Iは睡眠薬の減薬に対しても効果的な介入であることが示唆された。⁹⁾
睡眠知識や睡眠促進行動の改善に伴って、睡眠教育群では就床時刻や入眠潜時に改善効果が認められた。特に、就床時刻は平日・週末ともに早まり、23時以降に就床する生徒の割合が減少した。また、平日の睡眠時間が延長し、睡眠時間が7時間以下の生徒の割合が減少し、日中の眠気を訴える生徒の割合も減少した。睡眠教育プログラムは中学生の睡眠知識や睡眠促進行動のみならず、就床時刻や入眠潜時、睡眠時間といった睡眠習慣も有意に改善させること、また、日中の眠気も改善させることが明らかとなった。¹⁰⁾
解析の結果、睡眠問題はSCG(目標行動設定とセルフモニタリングを加えたセルフ群)のみで入眠困難と熟眠困難が有意に減少した。睡眠指標は全体で入眠潜時の減少と睡眠効率の増加が認められた。日誌による再分析で夜間覚醒に交互作用があり、SCGの夜間覚醒時間の減少がBTG(小冊子配布のみの読書療法群)より有意に大きかった。1年後に睡眠関連症状数は両群とも減少し、その他の症状数はSCGのみで減少した。改善した生活習慣の項目数はSCGがBTGよりも多かった。SCGのみで入眠困難と熟眠困難の保有者が有意に減少し、日誌記録からは夜間覚醒時間の短縮が認められたことから、この差を目標行動設定とセルフモニタリングの長期効果と考えた。多数を同時に安価に教育できる本方法で、睡眠不良者の長期の睡眠改善効果が得られる可能性が示された。¹¹⁾
⇒睡眠の質を上げるためのチェックリストを付けることも改善につながる
目標行動選択の項目と技法の関係
1. 朝決まった時刻に起きる(前後1時間内の差に)
2. 計画的に3時までに15−30分の仮眠をとる
3. 夕方5−6時くらいに、速歩などの運動をする
4. 休日は30分以上ウオーキング
5. 今より15分以上多く歩く(一駅分歩く、階段利用など)
6. 眠くなってから、寝床に入る
7. 朝、何でもよいから(牛乳1本でも)食べる
8. コーヒー、濃い緑茶などカフェイン摂取を1日2杯まで
9. 仕事中は90分ごとに一息入れる
10. 就寝前1時間はリラックスタイムとする
11. 夕食後、ぬるめのお風呂にゆっくりと入る
12. 6時間の睡眠時間を確保する
13. 日中戸外で1時間以上光を浴びる(曇の日も)
14. 寝つくための飲酒をやめる
15. 寝る2時間前までに夕食を終わらせる
16. 刺激的なTVや難しい話は就寝2時間前までに
17. 朝目覚めたら、ぐずぐずせずにさっと起床
18. 寝床で食べたり、テレビを見たりしない
19. 寝室の環境を、静かに適温にする
20. 夕食後は照明を暗くする(間接照明)
21. 週2回は寝る3時間前までに帰宅する
22. 週1回は、残業なしの日をつくる ¹¹⁾
まとめ
今回は【睡眠の質を上げるためには?】について紹介していきました
・運動習慣は睡眠の質を高める
・起床直後に太陽の光を浴びることで、【体内時計】をリセットしましょう
・リズムを保ちましょう
ここまでご覧いただき本当にありがとうございましたm(_ _)m
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参考文献
1)厚生労働省,健康づくりのための睡眠指針 2014,厚生労働省健康局,平成26年3月
2)青木拓巳/佐久間春夫/石井好二郎,12か月間の歩行運動介入が高齢者の睡眠に与える影響,一般社団法人日本体力医学会,体力科学 2017年66巻2号p.153-162
3)水野康/国井実/清田隆毅 他,中高年女性における運動習慣の有無と睡眠習慣および睡眠健康度との関係,日本体力医学会,体力科学 2004年53巻5号p.527-536
4)小田史郎/清野彩/森谷絮,大学生における夜間睡眠と運動習慣の関連についての実態調査,日本体力医学会,体力科学 2001年50巻2号p.245-254
5)永松俊哉/甲斐裕子/北畠義典 他,ストレッチを用いた低強度運動プログラムの実施が中高年女性勤労者の睡眠に及ぼす影響,公益財団法人 明治安田厚生事業団,体力研究 2008年106巻p.1-8
6)永松俊哉/甲斐裕子,低強度のストレッチ運動が軽度睡眠障害者の睡眠およびストレス反応に及ぼす影響,公益財団法人 明治安田厚生事業団,体力研究 2014年112巻p.1-7
7)木暮貴政/西村泰昭/郭恰 他,寝返り・寝心地を重視したマットレスによる睡眠改善効果,日本生理人類学会,日本生理人類学会誌 2008年13巻4号p.185-190
8)大平雅子/山田雄大,運動後の入浴方法の違いが睡眠の質に及ぼす影響,日本健康開発財団,日本健康開発雑誌 2019年40巻p.31-38
9)田中美加/池内眞弓/松木秀明 他,簡易型睡眠認知行動療法の高齢者の睡眠改善および睡眠薬減量に対する効果:無作為化比較試験,日本公衆衛生学会,日本公衆衛生雑誌 2018年65巻8号p.386-398
10)田村典久/田中秀樹/笹井妙子 他,中学生に対する睡眠教育プログラムが睡眠習慣、日中の眠気の改善に与える効果 : 睡眠教育群と待機群の比較,一般社団法人 日本認知・行動療法学会,行動療法研究 2016 年42巻1号p.39-50
11)足達淑子/堀内聡,非対面快眠プログラムの睡眠不良者における睡眠改善効果の検討,日本行動医学会,行動医学研究 2019年24巻2号p.62-