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がじゅまる整骨院の加藤です。自己紹介【加藤由基】
BC-bodyでは【予防医学】の観点から
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前回は【妊娠・出産と腰痛~筋肉~】を紹介しました。
今回は【妊娠・出産と腰痛~運動が必要?~】をご紹介したいと思います。
運動の必要性
初回時の理学療法評価において、腰部痛、腹横筋・骨盤底筋群の機能低下、骨盤輪の安定性低下、不良姿勢(sway back、lordosis-kyphosis)がみられた。¹⁾
産後腰痛患者に対し、理学療法評価に基づき、体幹エクササイズ・姿勢指導を行うことで、健康関連QOLの身体的健康度は有意な改善が得られ、腰痛による日常生活機能障がいは改善傾向であった。差の効果量から、産後腰痛において、理学療法介入は1ヶ月よりも3ヶ月間継続することが効果的な可能性があると考えた。¹⁾
⇒体幹を鍛えること・姿勢を改善することは腰痛を軽減し、日常生活を送りやすくする
⇒短期間よりも継続したほうが効果的
本研究結果から、妊娠中の運動習慣により、骨盤を支持する筋肉や安定させる筋肉の筋力が維持、増進する事によって、分娩時の仙腸関節部の緩みやズレが起こりにくくなり、仙腸関節痛の発症を抑えられた可能性がある。²⁾
妊娠中の活動量を「ほとんど動いていない」、「屋内の家事程度」、「近所への買い物程度」を活動量の低い群、「積極的に運動していた」、「その他(仕事)を活動量の高い群としてカイ二乗検定を行った結果、中期において活動量の低い群は高い群と比べ有意に疼痛を生じやすく³⁾
⇒妊娠中の運動が少なすぎると、高い人に比べて明らかに腰痛になりやすい
妊娠期はホルモン変化や子宮の増大に伴い,経過とともに腰痛が増悪しやすいと言われている。本研究では腰痛を呈する妊婦での理学療法介入では疼痛の緩和を認め,高い満足度を得ることができた。⁴⁾
⇒筋肉を鍛えることは骨盤の不安定さを減らし腰痛の緩和・予防につながる
腹横筋
本研究では腰痛を呈する妊婦での理学療法介入では疼痛の緩和を認め、高い満足度を得ることができた。また、対象者の4分の3は調子が良いとの回答であった。これは、腹横筋アプローチの即時的な効果と共に、ホームExを継続することで良好な状態を維持することができたのではないかと考える。⁴⁾
⇒腹横筋を鍛えることで腰痛が緩和されやすい
超音波画像によるフィードバックを行いながら正しい腹横筋の選択的収縮を学習させた後、2週間のホームエクササイズを行わせた。腹横筋においてのみ、筋厚変化率は指導前に比べて指導直後に有意に増加し、指導3日後、指導7日後まで有意差を示した。⁵⁾
⇒腹横筋を鍛えると、直後は効果が大きく7日間は働きの良い状態を保てる
運動の時期
アンケートの結果、非妊娠期前に腰背部から骨盤周囲に疼痛の既往がある者の方が、ない者に比べ有意に妊娠期に疼痛が発生していた。³⁾
⇒妊娠前から腰痛を経験している人は、ない人に比べて明らかに腰痛になりやすい
腰痛群は腰痛なし群に比べて、妊娠早期から、日常生活の中で腰に負担のかかる動作に、困難さを感じていた。⁶⁾
⇒腰痛のある人は妊娠の早い段階から辛さを感じている
本研究の結果より、妊娠期において運動開始時期が早いほど、出産直後の仙腸関節痛の発生割合が少なくなることが示された。²⁾
産後5日の腰痛保有者は妊娠中に軽労働の就労に従事していたものほど少なかった。⁷⁾
⇒早い段階で運動・体を動かす習慣があると出産後の痛みが出にくい
体重のコントロール
妊娠中の過度な体重増加は産後持続するLBPPのリスクであることが示された。適切な体重コントロールが産後持続するLBPPを予防する可能性が示唆された。⁸⁾
産後5日の腰痛強度は妊娠中の体重増加量が多いほど強かった。⁷⁾
15kg以上の体重増加は、10kg以上15kg未満と比べて、産後持続するLBPPのリスクが高いことが示された。⁸⁾
⇒体重のコントロールも大切で、15kg以上の増加は産後も痛みが長引きやすい
産後1ヵ月の腰痛強度は体重減少率が小さいほど強かった。⁷⁾
⇒産後、体重が落ちにくいほど腰痛が強い
寝具
生活習慣の面、特に寝具との兼ね合いに関しては興味深い結果を得ている。今回の調査において有意差は認められなかったが、 柔らかい寝具の方が硬い寝具に比べ有痛率が低いという傾向が見られた³⁾
これは、柔らかい寝具やマットレスが妊娠に伴う脊柱や重心の変化に対して圧を分散しやすく、身体に負担をかけにくいということが想定される。³⁾
⇒硬い寝具よりも、柔らかい寝具の方が痛みが出にくい可能性がある
まとめ
今回は【妊娠・出産と腰痛~運動が必要?~】について紹介していきました
・妊娠中の運動が少なすぎると、高い人に比べて明らかに腰痛になりやすい
・早い段階で運動・体を動かす習慣があると出産後の痛みが出にくい
・妊娠前から腰痛を経験している人は、ない人に比べて明らかに腰痛になりやすい
次回は【妊娠・出産での腰痛を改善】する運動を紹介していきます。
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参考文献
1)松田陽子/葉清規/大石陽介 他,産後腰痛患者に対する理学療法介入期間の検討,日本理学療法士協会,第53回日本理学療法学術大会 抄録集,2019
2)川邊莉香/森野佐芳梨/石原美香 他,妊娠期における運動開始時期と分娩後仙腸関節痛の関連性について,日本理学療法士協会,第53回日本理学療法学術大会 抄録集,2019
3)梶原由布/永井宏達/高村ますみ 他,妊娠に伴う腰背部から骨盤周囲の疼痛の実態調査,京都大学大学院医学研究科人間健康科学系専攻紀要 : 健康科学 : health science (2012), 7: 29-35,2012-03-31
4)杉本結実子/小川陽子/江川千秋 他,妊婦への理学療法介入による腰痛変化と満足度調査,日本理学療法士協会,第50回日本理学療法学術大会 抄録集,2015
5)隈部雄颯/大久保雄/武居佳熙 他,腹横筋の選択的収縮スキルは7日間持続する,一般社団法人日本整形外科スポーツ医学会,日本整形外科スポーツ医学会雑誌 2022年42巻2号p.89-94,2022
6)榊原愛子,妊娠時の腰痛が日常生活動作へ及ぼす影響,理学療法科学2006年21巻3号p.249-254,2006
7)楠見由里子/加納尚美/小松 美穂子,産褥期の腰痛の経日的変化と関連要因,日本助産学会,日本助産学会誌2007年21巻2号p.2_36-2_45
8)松田直佳/坪井大和/北垣和史 他,妊娠中の過剰な体重増加が産後持続する腰痛骨盤痛に与える影響,日本理学療法士協会,第53回日本理学療法学術大会 抄録集,2019