妊娠・出産と腰痛~筋肉~

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がじゅまる整骨院の加藤です。自己紹介【加藤由基】

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前回は【妊娠・出産と腰痛】を紹介しました。

産後の痛みは、放っておいて治るものでもない

骨盤のゆがみ、衰えた筋力、悪い姿勢を改善する必要がある

産後の適度な運動習慣が推奨されている

妊娠・出産と腰痛

今回は【妊娠・出産と腰痛の注意点】をご紹介したいと思います。

 

姿勢

妊産婦の多くが経験する腰痛・骨盤痛の要因として、体形、姿勢の変化が挙げられ、発生する部位等により要因が各々異なると考えられる。¹⁾

⇒姿勢の崩れにより痛みを誘発しやすい

 

筋肉

筋肉が弱い

子宮拡大に伴う腹部筋力の低下によって脊柱の安定性機構破綻状態にあり、脊柱の可動性と固定性の協調性が失われている腰椎では、腰椎部へのせん断力が加わったことも疼痛発生因子として考えられる。²⁾

⇒お腹が大きくなることで腹筋が弱くなり、背骨がグラグラしていると痛みやすい

産後も症状が残存する場合、体幹筋機能不全が生じている可能性がある。³⁾

アライメントの変化、骨盤帯の不安定性いずれの要因による腰背部痛・骨盤帯痛に対しても、体幹及び骨盤帯の安定性を高めることが主たる目的となる。⁴⁾

脊柱の安定化機構が破綻した状態では、腰部の安定性を確保することができず、腰椎は過剰運動を強いられることになる。それを予防するためには、体幹周囲筋の協調的かつ効率的な共同収縮が起こらなければならない。しかしながら、妊娠に伴い腹部、腹側部周囲の筋は伸張されており、収縮効率は低下しているため、協調的かつ効率的な共同収縮は期待できない。²⁾

姿勢評価より腰仙椎の弯曲が強く、インナーユニットである骨盤底筋群と腹横筋の機能不全により背臥位や寝返り動作時に仙骨の過度なうなずき運動を抑制出来ず、痛みを生じていると推測した。⁵⁾

産後は妊娠、分娩によりダメージをうけた骨盤底をケアし、骨盤底機能を回復させていくことが重要である。⁶⁾

⇒産後も症状が改善しない場合は、体幹の筋肉が弱くなったままの可能性がある

⇒体幹のインナーマッスルを鍛えましょう【腹横筋や骨盤底筋群など】

筋肉が硬い

胸椎の可動域制限群は非制限群と比較して産後LPP有病率は有意に高く,SKEにおいても非制限群と比較して可動域制限群は産後LPP有病率が有意に高かった。交絡因子の調整後も胸椎・SKEともに可動域制限群が産後LPPを有しやすいという結果であった⁷⁾

育児をする母親が頻繁に行う動作と考えられる前方屈み動作において、胸椎・ハムストリングスの柔軟性低下は腰部への負荷を増大させることが報告されていることからも、産後LPPに影響を与える可能性が考えられる。⁷⁾

胸椎の硬さ足の筋肉が硬いと痛みを引き起こしやすい

 

運動

介入方法としては、1.超音波診断装置による視覚的フィードバックを用いた骨盤底筋群,腹横筋の収縮練習、2.タオルストレッチポール上背臥位で仙骨を後傾誘導した状態で、呼吸運動を1分間(第44回日本理学療法学術大会により腹横筋EXとして有効であると立証)、3.介入2姿勢でのu・oの発声(第46回日本理学療法学術大会により腹横筋EXとして有効であると立証)を伴いつつ骨盤底筋群収縮練習、の3種類を実施した。⁵⁾

介入により、仙骨を含む骨盤前傾の減少,骨盤周囲径の減少,骨盤底筋群と腹横筋の機能向上,そして痛みが消失した。⁵⁾

分娩時には一時的にインナーユニットへの過度な負荷を生じるが、産前に骨盤底筋群と腹横筋に焦点を当てた呼吸指導を実施した事により、分娩時や出産直後からインナーユニットとしての呼吸運動が実践され、産後の腰痛予防にも繋がったと考えられた。⁵⁾

骨盤底筋群の収縮による骨盤のアライメント修正に加え、腹横筋の収縮による良肢位保持作用により、妊娠中は介入前よりも骨盤周囲径が減少した状態を維持できたと考えられる。⁵⁾

⇒1.2.3のような運動をすると姿勢が綺麗になる、骨盤の開きが改善、インナーマッスルが活性化、痛みが減る

骨盤帯の不安定性は、前述のような骨盤周囲の靭帯弛緩性増加にともなう恥骨結合部の過剰な可動性や仙骨の適合不良などによって生じる。靭帯の弛緩性増加に対し,腸腰筋や股関節内転筋群および外転筋群、梨状筋や内閉鎖筋といった股関節周囲筋の活動を促すことで,骨盤帯の安定化に寄与すると考えられる。⁴⁾

⇒骨盤のゆがみを、股関節周りの筋肉を鍛えることで改善しましょう

3症例ともIRDの減少量、DRAの残存にかかわらず、運動療法介入によりNRSとSCU、尿漏れや歩行能力等その他の症状は改善した。⁸⁾

⇒運動をすることで体の機能が改善していく

 

日常の姿勢とクセ

妊娠中の身体変化に育児動作による影響も加わり、より複雑な所見を呈することも考慮しなければならない。おむつ替えや授乳、立位で児を抱く際などでは、頭頚部が前方突出,胸椎後弯が増強し骨盤が後傾した姿勢や、左右非対称な姿勢となりやすく、腰背部痛や骨盤帯痛の要因となる可能性が高いため、姿勢の評価と指導が重要となる。⁴⁾

⇒普段の姿勢と負担を大きくする癖を見直しましょう

 

まとめ

今回は【妊娠・出産と腰痛~筋肉~】について紹介していきました

症状が改善しない場合は体幹の筋肉が衰えている可能性がある

骨盤のゆがみを、股関節周りの筋肉を鍛えることで改善しましょう

胸椎の硬さ足の筋肉が硬いと痛みを引き起こしやすい

 

ここまでご覧いただき本当にありがとうございましたm(_ _)m

今後【妊娠・出産での腰痛を改善】する運動も紹介していきます

 

この記事を書いた人↓↓

がじゅまる整骨院院長(加藤由基)

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参考文献

1)笠野由布子/増田一太,女性の骨盤形態の特徴と出産経験による比較,日本理学療法士協会,第53回日本理学療法学術大会 抄録集,2019

2)竹沢友康,妊娠と腰痛─妊婦の腰痛発生メカニズムの検討─,一般社団法人 栃木県理学療法士会,理学療法とちぎ 5 (1), 1-4, 2015

3)小松みゆき/玉木彰/川口浩太郎,産後腰痛への分節安定性トレーニング応用に向けた基礎的検討―健常女性に対する開運動鎖分節コントロールの呼気負荷強度について―,日本理学療法士協会 第49回日本理学療法学術大会 抄録集,2014

4)須永康代,妊娠・出産期の理学療法,公益社団法人 埼玉県理学療法士会,理学療法―臨床・研究・教育 26:11-15,2019

5)布施陽子/杉本結実子/茅根沙由佳 他,腰痛を呈する妊婦へ理学療法を実施した際の介入前後と産後1ヶ月までの経時的な身体機能変化,日本理学療法士協会 第53回日本理学療法学術大会 抄録集,2019

6)安宅和佳奈/岡山久代/内藤紀代子,産後1ヵ月の女性の骨盤底筋力の実態および分娩に関する要因との関連性の検討,看護理工学会,看護理工学会誌 2020 年 7 巻 p. 43-50

7)近藤有希/海老名葵/重本千尋 他,産後の腰痛骨盤痛と胸椎・ハムストリングスの柔軟性の関連,日本理学療法士協会 第52回日本理学療法学術大会 抄録集,2017

8)猿田奈央/中村格子,産後に腰痛・骨盤部痛を呈した3症例に対する腹直筋離開の評価と取り組み,日本理学療法士協会 第53回日本理学療法学術大会 抄録集,2019