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がじゅまる整骨院の加藤です。自己紹介【加藤由基】
BC-bodyでは【予防医学】の観点から
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今回は【柔軟性と腰痛】についてです。
股関節の柔軟性と腰痛
腰痛群の股関節屈曲に有意な制限を認めた要因として、股関節伸筋群のタイトネスによる骨盤後傾位が挙げられ、同様に大腿四頭筋のタイトネスも生じたものと考えられる。また、股関節内旋制限においては、骨盤の運動のみを考えると、胸椎部伸展位への運動制限により骨盤においては寛骨のうなずき運動が不十分(骨盤後傾位)となり、股関節は外旋位優位となるためであると考えられる。¹⁾
成長期野球選手の腰痛は、ステップ脚の股関節内旋制限および大腿四頭筋柔軟性低下、過体重と関連することが示唆された。²⁾
高校野球選手の腰痛を調査した報告では、1シーズン中に半数以上が腰痛を発症している。野球選手の腰痛発症の要因として、下肢伸展挙上(以下、SLR)や股関節内旋可動域の低下による殿部筋柔軟性の低下が考えられている。³⁾
野球選手の腰痛予防には、非投球側股関節内旋可動域の維持が重要であると考える。³⁾
⇒股関節の内旋動作が制限されてしまうと、腰痛につながりやすい
腰を反ると痛い
伸展型腰痛症の場合、臨床的には、脊柱の伸展可動性が低下し、腸腰筋や大腿直筋の短縮がみられる。⁴⁾
⇒腰を反ると痛い場合は、腸腰筋や大腿直筋が硬い傾向にある
⇒腰を反ると痛い場合は、背骨を反らせる動きも硬い傾向にある
もも前の筋肉(大腿直筋)
腰痛群のHBDが有意に大きかった。HBDは股関節伸展位で行う膝屈曲テストであるため、今回の結果は大腿四頭筋の中でも2関節筋である大腿直筋の柔軟性低下による影響が考えられる。先行研究では腰痛を有する青年期のスポーツ選手は股関節屈曲筋の柔軟性が低下すると報告されている。またサッカー競技では、股関節伸展を腰椎の伸展で代償する選手で腰椎に加わるストレスが増加すると報告されている。以上のことから、サッカー選手における股関節屈曲筋群の柔軟性低下と腰痛とは関連があるものと考えられ、本研究での腰痛群でHBDが有意に増加したものと推測された。⁵⁾
⇒もも前の筋肉が硬くなると腰痛につながりやすい(ここでは、うつ伏せ姿勢で膝を曲げる検査)
腸腰筋(下画像の赤丸)
腰痛既往群は、背筋力と股関節屈筋群の柔軟性が有意に低下しており、その改善の必要性が示唆された.⁶⁾
腰痛がある場合には腸腰筋は伸張されやすかったことから、腸腰筋の短縮が認められていたと推察された。また、筋連結の観点から腰痛は腸腰筋と直接関連すると報告されている。これらのことから神経症状がない腰痛者は腸腰筋の柔軟性が低下しており、ストレッチ介入によって伸張されやすいと考えられた。⁷⁾
⇒腸腰筋が硬くなると腰痛につながりやすいため、柔軟性を改善する必要がある
屈むと痛い
もも裏の筋肉
屈曲型腰痛症の場合、臨床的には、腰椎屈曲可動性が低下し、腰背部やハムストリングスの緊張がみられる。⁴⁾
⇒屈むと痛い場合は、背面の筋肉やもも裏の筋肉が硬い傾向にある
⇒屈むと痛い場合は、腰骨を曲げる動きが悪くなっている傾向にある
ハムストリングの柔軟性が低い者ほど、体幹前屈20~40°で骨盤前傾が小さく、そのぶん腰椎屈曲が大きいことが示された。よって、健常な成人男性であっても、ハムストリングの柔軟性の違いによって、体幹前屈時の脊柱運動に違いがあることが示された。⁸⁾
⇒もも裏の筋肉が固いと屈む動作で、骨盤の動きが制限されてしまい腰骨を大きく曲げる必要がある
胸椎とハムストリングスの柔軟性は、産後のLPPに関連する要因である事が示唆された。⁹⁾
妊娠中には多くの女性が妊娠関連の腰痛骨盤痛(Lumbopelvic Pain;LPP)を発症するといわれており、約8割の女性が症状に悩まされている。LPPは妊娠中のホルモン変化や体重増加による腰部への負荷の増大が原因とされているが、産後も多くの女性がLPPを持続して有しており、成人女性の慢性腰痛の20%は妊娠中に発症したものであるとの報告もある。⁹⁾
⇒もも裏の筋肉の硬さは、妊娠中や産後の腰痛にも悪影響を及ぼす
まとめ
今回は【柔軟性と腰痛】について紹介していきました
・股関節の内旋動作が制限されてしまうと、腰痛につながりやすい
・腰を反ると痛い場合は、腸腰筋や大腿直筋が硬い傾向にある
・屈むと痛い場合は、背面の筋肉やもも裏の筋肉が硬い傾向にある
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参考文献
1)前田廣恵/福田隆一/宮本良美,四つ這い位からみた胸椎部の可動性と腰痛との関連性について,九州理学療法士・作業療法士合同学会,第27回九州理学療法士・作業療法士合同学会誌,2005
2)森木研登/飯澤剛/青木光広,成長期野球選手における腰痛と股関節可動域の関連性,一般社団法人 日本整形外科スポーツ医学会,日本整形外科スポーツ医学会雑誌,2021年41巻1号p.7-11
3)十文字雄一/安中聡一/長沼誠 他,野球選手における腰痛発症に関わる下肢柔軟性の検討,一般社団法人 日本予防理学療法学会,第10回 日本予防理学療法学会学術大会,2024
4)加賀谷善教/大畑健太郎,腰痛発生機序からみた運動療法の選択,鹿屋体育大学スポーツトレーニング教育研究センター,スポーツトレーニング科学 6巻,p.44-48,発行日2005-03-01
5)村本勇貴/岩本航/我妻浩二 他,腰痛を有する中学生サッカー選手の身体特性,日本理学療法士協会,第52回日本理学療法学術大会 抄録,2017
6)小田桂吾/山口貴久/石丸出穂 他,大学男子バレーボール選手における腰痛既往歴と身体特性に関する検討,一般社団法人 日本アスレティックトレーニング学会,日本アスレティックトレーニング学会誌 2022年8巻1号p.43-47
7)望月沙紀/渡邊昌宏,筋の柔軟性と腰痛の関係に関する研究,日本理学療法士協会,第53回日本理学療法学術大会 抄録集,2019
8)岡田泰河/浦辺幸夫/鈴木雄太 他,体幹前屈動作時の脊柱運動とハムストリングの柔軟性の関連性,公益社団法人 広島県理学療法士会,理学療法の臨床と研究 2020年29巻p.71-75
9)近藤有希/海老名葵/重本千尋 他,産後の腰痛骨盤痛と胸椎・ハムストリングスの柔軟性の関連,日本理学療法士協会,第52回日本理学療法学術大会 抄録集,2017