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がじゅまる整骨院の加藤です。自己紹介【加藤由基】
BC-bodyでは【予防医学】の観点から
いつまでも自分の足で歩き続けることができる身体づくりを提供いたします。
前回は【農作業と腰痛】についてまとめていきました。
今回は【農家さんの腰痛改善・腰痛対策】をご紹介したいと思います。
前かがみ姿勢で物を持ち上げる動作は、腰への負担がとても大きい
腰痛の頻度は毎日が指導前35.5％から29.6％に減少した。痛みの程度は常時痛みがあるが22.6％から14.8％に減少し、痛みが無くなったが7.4％であった。指導した運動により腰痛が軽減したと回答したのが66.7％であった。指導した動作に注意しながら動作を行っているが81.5％であった。腰痛が軽減した具体的な動作ではしゃがんだ状態での作業であった。¹⁾
⇒前かがみ姿勢は腰への負担が大きく、物を持ち上げる作業が加わるとさらに負担が大きい
²⁾
猫背
腰椎前彎角が減少している女性高齢者ほど、大腿四頭筋筋力や下肢荷重力が弱いことが示唆された。³）
本研究では平均年齢79.2歳の高齢者28名（男性5名，女性23名）を対象に、Spinal Mouseを用いた脊³アライメントとバランス能力（開眼片脚立位時間）および歩行能力（10 m歩行時間，3分間歩行距離）を測定し²結果、各々に有意な相関関係を認め、「体幹が前傾する」ほど、そして「背中が丸くなる」ほど、バランス能力や歩行能力が低下することが確認されたことから姿勢を含めた評価を行う必要性が示唆された。⁴⁾
⇒猫背姿勢では、足の筋力が弱くバランス能力や歩行にも悪影響を及ぼす
もも前の柔軟性
農業経験年数が多くなると、慢性腰痛が生じやすい。その対策として、大腿前面の柔軟性改善と伸展時痛が考えられる。腰痛が生じると、収穫・運搬方法の工夫やストレッチをしていることがわかった。過去に腰痛が生じていると現在の腰痛と慢性腰痛が生じやすい。⁵⁾
⇒もも前の筋肉を柔らかくすると腰痛改善につながる
背筋
ロジスティック回帰分析の結果、背筋力のみ選択され、オッズ比0.74（95%信頼区間：0.57-0.97）であった（p＜0.05）。⁶⁾
本研究の結果から、腰痛を訴えないLDK例では腰痛を訴える例と比較し、背筋力が有意に高値であった。従って、LDKに対する理学療法においては、背筋運動を優先的に指導することが重要と考えられた。⁶⁾
ODIは、腰痛患者に対する疾患特異的QOL評価法として最も有用なものの一つである。その影響因子を検討することは、腰痛患者に対する適切なアプローチを選択する上で極めて重要である。本研究から、体幹伸展筋力と安静時VASが最もODIに影響を与える因子であることが判明した．この結果は、体幹伸展筋力の向上と疼痛軽減が腰痛患者のQOL改善ために重要であることを示した。⁷⁾
⇒腰痛がない方は背筋力が強い傾向にあり、背筋力を鍛えることで痛みの軽減につながりやすい
高齢脊椎変性疾患は上述の通り胸腰椎の変性や骨粗鬆症による椎体骨折、背筋力低下により腰痛や全脊椎の後弯変形をきたす。⁸）
⇒背筋力が低下すると、腰痛や背骨の変形につながりやすい
まとめ
今回は【農家さんの腰痛改善・腰痛対策】について紹介していきました
・腰痛がない方は背筋力が強い傾向にあり、背筋力を鍛えることで痛みの軽減につながりやすい
・もも前の筋肉を柔らかくすると腰痛改善につながる
・前かがみ姿勢は腰への負担が大きく、物を持ち上げる作業が加わるとさらに負担が大きい
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参考文献
1)高氏涼太／河野奈美，高齢農作業者に対する腰痛予防に関する研究，日本理学療法士協会，第52回日本理学療法学術大会 抄録集，2017
2)Donald A.Neumann著, 嶋田 智明, 有馬 慶美訳，筋骨格系のキネシオロジー 原著第2版，医歯薬出版,2012年3月1日
3)甲斐義浩／村田伸／大田尾浩 他，地域在住女性高齢者の脊椎加齢変化と下肢筋力との関連，理学療法科学学会，理学療法科学 2009年24巻1号p.45-48
4)坂光徹彦／浦辺幸夫／山本圭彦，脊柱後彎変形とバランス能力および歩行能力の関係，理学療法科学学会，理学療法科学 2007年22巻4号p.489-494
5)森田鉄二／谷島伸二／加藤美奈子，鳥取県西部白ねぎ農業従事者における腰痛の関連因子の検討，日本理学療法士協会，第54回日本理学療法学術大会 抄録集，2020
6)千葉恒／杉澤裕之／菅原敏暢 他，腰痛の有無による腰部変性後弯症の身体機能の特徴，日本理学療法士協会，第52回日本理学療法学術大会 抄録集，2017
7)小俣純一／対馬栄輝／遠藤達矢 他，腰椎変性疾患に対する運動療法の意義- Oswestry Disability Indexに影響を及ぼす因子からの検討-，第48回日本理学療法学術大会 抄録集，2013
8)宮﨑雅司／田邊史／榊間春利，高齢脊椎変性疾患の手術治療と予防リハビリテーション，日本理学療法士協会，理学療法学 2021年48巻2号p.236-241
