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がじゅまる整骨院の加藤です。自己紹介【加藤由基】
BC-bodyでは【予防医学】の観点から
いつまでも自分の足で歩き続けることができる身体づくりを提供いたします。
前回は【腰痛とピラティス】についてまとめていきました。
今回は【筋トレで膝痛を予防しよう!】についてです。
平成19年国民生活基礎調査によると、高齢者が寝たきりになる原因の第4位の関節疾患は12.2%であり第5位の転倒・骨折は9.4%を合わせた運動器が原因となるものは21.6%に及び、5人に1人は「運動器」の障害が原因といわれている。このような現状に対して、日本整形外科学会では2007年に「ロコモティブシンドローム(locomotive syndrome;運動器症候群)」という概念を提唱し、広く国民だけでなく医療従事者に対しても意識改革が必要であると述べている。ロコモに対する有効な改善手段は運動であり、セルフトレーニングとしてのロコモーショントレーニング(以下、ロコトレ)が推奨されている。¹⁾
膝痛に対する筋トレの効果
153名の内、ロコチェックに1つでも該当するロコモ群は86名(56%)であった。¹⁾
参加者に対して介入時にロコモーショントレーニング(片足立ち、スクワット)に加えて、踵上げトレーニング(自然立位の姿勢で踵を持ち上げる動作、20回を1日3セット)について実技指導を行い、自宅におけるセルフトレーニングを促した。¹⁾
今回我々は2種類のロコトレに、バランス能力改善を目的に、踵上げによる下腿三頭筋および足趾把持力の強化を図るトレーニングを加えた。その結果、片脚起立時間やFRT、足趾把持力、TUGなどのバランス機能の改善を図ることが出来た。ロコモティブシンドロームの対象者は高齢者が多く、転倒既往や転倒恐怖から活動性の低下につながることが危惧される。踵上げトレーニングを加えることでバランス機能の向上を図り、活動性の維持向上につながることが示唆された。¹⁾
2ヶ月後のアンケートでは、膝の痛みが良くなった(55名)腰の痛みが良くなった(44名)、歩行が楽になった(63名)、階段が楽になった(59名)、身体全体の動きが楽になった(72名)と、自覚症状の改善が得られた。¹⁾
⇒①片足立ち・②スクワット・③踵上げのトレーニングをすることで、痛みの改善につながり片足立ちなど体の機能も向上する
膝痛患者に対して集団運動療法を1年間(1回60分、週2回)実施した。さらにWBIを用いて、高値群7名(平均0.5±0.13)、低値群7名(平均0.4±0.07)に群分けし、1年間の運動療法の効果を比較検討した。プログラム内容としては、水中運動及び陸上運動を交互に繰り返し、運動を
実施しました。また、高値群では身体活動の多い運動を導入し、低値群では持続的歩行が困難なため下肢筋力向上を目的とした運動を中心に実施しました。【結果】両群共に膝痛の改善に伴い、ADLの向上と体力向上が見られ、特に高値群では体重減少が大きく、低値群では最大膝関節伸展力の向上が大きく見られた。²⁾
⇒運動を習慣的に行うことで、膝痛改善につながる
膝伸展機能を可動域、筋力以外に筋収縮による痛みの観点から調査した。痛みなく筋収縮可能という膝伸展機能が歩行をはじめとする日常生活動作時の疼痛を減少させることにつながると考えたためである。結果より非荷重位での大腿四頭筋の等尺性収縮が痛みなく実施可能であること、膝伸展可動域の制限が少ないことが日常生活動作の疼痛の少なさと関係することが示された。³⁾
⇒①もも前に力を入れても膝に痛みがないこと、②膝の関節が固まらないよう保つことは膝痛予防につながる
スクワットの効果
スポーツ選手から高齢者まで安全に行え、大腿四頭筋だけでなく、大殿筋やハムストリングス、前脛骨筋なども動員されて鍛えられるため、運動効果が高い。また、正しい姿勢で行うことが、効果を高め、かつ膝の痛みを防ぐために重要である。⁴⁾
⇒スクワットは安全に、お尻・もも・すねなどの筋肉を鍛えられるので運動の効果が高い
スクワットの注意点
スクワットは、大腿四頭筋(Quad)や大殿筋(GM)の筋力トレーニングとして臨床現場で頻繁に行われ、そのトレーニング効果も証明されている。一方で、動作自体により大きな関節負担が生じるため、スクワット方法と関節負担の関連を理解することは重要である。膝関節内側圧縮力(KCFmed)は変形性膝関節症の発症や半月板損傷と関連することが報告されている。⁵⁾
⇒膝の内側に力が大きくかかると、変形性関節症につながりやすくなってしまう
KCFmedに足幅と足角の有意な主効果がみられ、狭い足幅が中程度及び広い足幅よりもKCFmedが有意に大きく、さらに足部外転30°が足部中間位よりもKCFmedが有意に大きかった。⁵⁾
QuadおよびGMの張力を低下させずにKCFmedを減少させるには、中程度の足幅かつ足部中間位でのスクワットが適している可能性が示唆された。⁵⁾
⇒腰幅で足先を正面に向けたスクワットの方が、膝の負担が少なく効率的に鍛えることができる可能性がある
登山と膝痛
7000人以上の中高年登山者を対象に、登山中に起こるトラブルを尋ねた結果、「筋肉痛」「下りで脚がガクガクになる」「膝の痛み」の3つが最も多く、いずれの該当率は3割を超えていた。これらワースト3のトラブルは、脚筋力の弱い人が下りでおこしやすい、という共通点がある。中高年の登山事故の多くは下りで転ぶことによって起こると述べたが、この調査結果にはその前駆症状がはっきりと現れている。⁶⁾
⇒登山者で膝痛に悩む方も、脚の筋力不足は痛みの原因になる
このような事故を防ぐためには、日常のトレーニングによって脚の筋力を強化しておく必要がある。この点について検討するために、同じアンケートで日常生活でのトレーニング状況を尋ねた。その結果、約7割という多数の人がトレーニングを実践しており、その種目は「ウォーキング」が圧倒的に多く、約8割を占めていることが分かった。これらのことを総合して考えると、登山に必要な脚力は、通常のウォーキングによっては鍛えられない可能性があるといえる。⁶⁾
ウォーキングは健康の維持増進に取っておくのメリットがある。しかし足りない部分も指摘されている。たとえば現在、高齢者の間で脚力の低下による転倒が問題になっているが、ウォーキングをしているだけでは脚力低下は防ぎきれないとされる。⁶⁾
⇒足の筋力を鍛えるためには、ウォーキングだけでは不十分
まとめ
今回は【筋トレで膝痛を予防しよう!】について紹介していきました
・①片足立ち・②スクワット・③踵上げのトレーニングをすることで、痛みの改善につながり片足立ちなど体の機能も向上する
・スクワットは安全に、お尻・もも・すねなどの筋肉を鍛えられるので運動の効果が高い
・足の筋力を鍛えるためには、ウォーキングだけでは不十分
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参考文献
1)藤田博曉/新井智之/細井俊希 他,地域在住高齢者におけるセルフトレーニングの有効性 ロコトレに踵上げトレーニングを加えた効果,日本理学療法士協会,第46回日本理学療法学術大会 抄録集,2011
2)辻慎太郎/臼井達矢,【高齢者の運動介入】1年間の集団運動療法が膝痛患者のADLへ及ぼす影響〜WBIを用いた運動療法の検討〜,一般社団法人日本体力医学会,体力科学2013年62巻6号p.561-562
3)秋本剛/横山茂樹/和田孝明 他,変形性膝関節症患者における膝伸展機能と日常生活動作時の疼痛の関係-大腿四頭筋収縮時の疼痛発生パターンに着目して-,日本理学療法士協会,第53回日本理学療法学術大会 抄録集,2019
4)遠峯結衣/清野諭/田中泉澄 他,高齢者の運動習慣形成のためのスクワット・チャレンジの構築,東京都健康長寿医療センター研究所,マルチメディア,分散協調とモバイルシンポジウム2017論文集1867-1874,2017-06-21
5)浅山章大/建内宏重/山縣桃子 他,スクワット中の足幅と足角の違いが膝関節内側圧縮力に及ぼす影響:筋骨格モデルによるシミュレーション解析,一般社団法人 日本運動器理学療法学会,運動器理学療法学2022年2巻Supplement号p.O-90
6)山本正嘉,中高年登山の体力科学,一般社団法人日本体力医学会,体力科学2005年54巻1号p.15-16