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がじゅまる整骨院の加藤です。自己紹介【加藤由基】
BC-bodyでは【予防医学】の観点から
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今回は【睡眠不足と体への悪影響】をご紹介したいと思います。
睡眠状況と身体への影響
1970年は7時間57分であった睡眠時間は2005年には7時間22分と約30分近く短くなっている。また、医療機関を受診する患者以外にも、一般健常者における睡眠障害の増加が注目され、一般労働者の20〜40%が不眠であるといわれ社会への影響も大きい。睡眠障害があると、目中の眠気からQOLの低ドにつながる。一方で 睡眠障害自体が肥満、糖尿病、高血圧、虚血性心疾患などの生活習慣病に影響するといわれている。生活習慣病は、睡眠の観点からも診療していくことが重要と考えられている。また、睡眠障害がうつ病の発症要因になるという報告や、睡眠時無呼吸症候群は身体面だけでなく、精神面にも影響することがいわれている。¹⁾
⇒睡眠に異常があると、生活の質低下や生活習慣病など健康面・うつ病など精神面にも悪影響を与える
⇒20~40%で睡眠に異常があるとも言われている
高血圧
女性においては、睡眠時間と高血圧の発症との間に相関があり、5年後の追跡調査では5時間以下の睡眠をとる女性は、7時間睡眠に較べて19.4倍の発症率を示した。睡眠の剥奪は女性にとって有害な心血管疾患をもたらすと警告している。²⁾
⇒5時間以下の睡眠では、7時間睡眠に比べ高血圧を19.4倍発症しやすい
めまい
睡眠不足や過労が、めまいの背景要因の一つであることは以前より周知の事実である。³⁾
⇒睡眠不足は、めまいにもつながりやすい
ふらつき
遮眼、静止3分間の重心動揺検査で総軌跡長、外周面積共に、睡眠制限により有意な値の増加を認めた。これより、睡眠不足は、健康若年成人にも身体平衡機能の低下を起こしうると言える。さらに身体的予備能の低い高齢者や、睡眠時間が不規則な夜勤労働者などで、不眠や睡眠不足状態がめまいの準備段階を作っていることを、示唆している。³⁾
今回、平均年齢21.4歳の被験者においても、睡眠制限による揺らぎの増加を認めたことから、若年者においても睡眠不足による脳疲労は、空間識を含む各種認知制御機能の低下を起こしうる、と考えられる。³⁾
⇒睡眠不足は、ふらつきにもつながる
不眠、不充分な睡眠や付随する疲労は、行動問題や情動障害に関連し、二次的な学業問題、集中力欠如、成績悪化などに結びつく。⁴⁾
⇒睡眠不足による疲労は、集中力の低下や行動にも悪影響を与える可能性がある
疲労
長時間労働およびその前夜の睡眠制限それぞれが疲労やストレスに影響を及ぼすことが示された。⁵⁾
身体的側面の身体不調、一般的疲労感、精神的側面の気力の減退、社会的側面の学習意欲の低下の4項目で他群よりも有意に高く、睡眠障害が重度の場合は、身体不調だけでなく一般的疲労感、気力の減退とともに学習意欲の低下を感じやすいと推察された。⁶⁾
⇒睡眠不足は、疲労や気力の低下につながる
慢性疲労状態のない健常人と慢性疲労症候群患者を対象とし、非利き手手首にMicroMini(AMI社)を72時間装着し、活動量をZero crossing法で計測した。計測値から覚醒時活動量、睡眠中活動量、総睡眠時間、居眠り回数、中途覚醒回数、睡眠潜時、睡眠効率を求め、二群間の比較を行った。また、それらの特徴量を用いて診断のための数理モデルを作成し、感度・特異度・判定精度を検討した。従来の報告と同様、慢性疲労症候群において覚醒時活動量の低下、睡眠時間の増加、居眠り回数の増加が有意に認められた。診断における感度等の検討では、線形判別式、サポートベクターマシン、ランダムフォレストといった異なる手法のいずれでも感度、特異度、予測精度ともに70~80%であった。覚醒時活動量の低下、睡眠時間の延長、居眠りの増加は疲労によるパフォーマンスの低下、疲労回復のために睡眠要求が増加していることを示していると考えられる。⁷⁾
⇒睡眠を十分にとることは、疲労回復につながりやすい
産後の睡眠と疲労
単胎児を出産した21名の母親を対象に、産後4日目、産後1か月時、産後2か月時、産後4か月時に縦断調査を実施した。産後1か月時、産後2か月時、産後4か月時のデータを用いて、時間経過、及び睡眠状態を表す各指標(総睡眠時間、睡眠効率、入眠後の全覚醒時間、覚醒エピソード)と産後疲労との関連性を調べ。その結果、総睡眠時間が短いと疲労の程度が有意に高くなることが明らかになった。⁸⁾
⇒睡眠時間が短いと、疲労度合いが優位に高い
睡眠時間
最近の身体的疾患と睡眠時間の関連に関する疫学研究では、6~7時間ないし7時間程度の睡眠をとっている人で高血圧、糖尿病、高脂血症などの身体疾患罹患の頻度およびリスク、うつ病罹患の頻度が、短時間睡眠や長時間睡眠の人と比べて少ないことが明らかにされている。⁹⁾
⇒7時間程度の睡眠は、高血圧・糖尿病・高脂血症など、うつ病の危険性が少ない
習慣的に適時間睡眠(6~8 時間)よりも短い又は長い睡眠時間の個人ほど心身のストレスを強く自覚している¹⁰⁾
⇒習慣的に6~8時間睡眠をとれているとストレスを少なく保ちやすい
ホルモン
これまで、うつ、ストレス、疲労と視床下部ー下垂体ー副腎皮質系(HPA 系)ホルモン、特にcortisolの変動との間に強い相関が知られている¹¹⁾
うつ重症度(構造化面接 SIGH-D による)と睡眠不足(IS:不眠スコアによる)と 21 時の DHEA-S(副腎皮質ホルモン)値が有意に関係していた。¹¹⁾
⇒睡眠とホルモンは関係する
まとめ
今回は【睡眠不足と体への悪影響】について紹介していきました。
・睡眠に異常があると、生活の質低下や生活習慣病など健康面・うつ病など精神面にも悪影響を与える
・睡眠不足は、疲労や気力の低下・ふらつきにつながる
・習慣的に6~8時間睡眠をとれているとストレスを少なく保ちやすい
次回は【睡眠の質を上げるためのポイント】について書いていきます。
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参考文献
1)菅重博/武田彰久/佐々木圭吾 他,生活習慣と睡眠,一般社団法人 日本心身医学会,心身医学 2011年51巻9号p.783-789
2)香坂雅子,女性の睡眠と健康,保健医療科学 2015 Vol.64 No.1 p.33-40
3)関根基樹/高橋正紘,睡眠制限が起立姿勢に及ぼす影響,日本めまい平衡医学会,Equilibrium Research 2005年64巻6号p.446-450
4)竹内朋香/犬上牧/石原金由 他,大学生における睡眠習慣尺度の構成および睡眠パタンの分類,日本教育心理学会,教育心理学研究 2000年48巻3号p.294-304
5)池田大樹/劉欣欣/小山冬樹 他、睡眠制限が模擬長時間労働時における心理反応に及ぼす影響,公益社団法人 日本心理学会,日本心理学会第84回大会,2020
6)大重育美/東優里子/松中枝理子 他,看護学生の睡眠の質と蓄積的疲労徴候との関係,一般社団法人日本学校保健学会,学校保健研究 2019年61巻4号p.212-217
7)倉恒弘彦/田島世貴,身体活動量から得られる睡眠指標および活動指標による慢性疲労病態判別の感度・特異度の検討,厚生労働科学研究費補助金(障害者対策総合研究事業)(神経・筋疾患分野)(分担)研究年度終了報告書
8)土屋雅子/森恵美/坂上明子 他,高年初産婦の産後疲労における時間経過と睡眠の影響 : パイロットスタディ,一般社団法人 日本女性心身医学会,女性心身医学 20 (2), 207-214, 2015
9)内山真,睡眠障害,日本大学医学会,日大医学雑誌 2012年71巻6号p.396-400
10)松原昭/津田彰/矢島潤平 他,睡眠時間及び睡眠の質と精神的健康度との関連性,公益社団法人 日本心理学会,日本心理学会第76回大会,2012
11)小山文彦/本間誠次郎/芦原睦 他,労働者の抑うつ、疲労、睡眠の状況とHPA系内分泌動態の検討,日本職業・災害医学会,日本職業・災害医学会会誌 62 (3), 143-148, 2014-05