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がじゅまる整骨院の加藤です。自己紹介【加藤由基】
BC-bodyでは【予防医学】の観点から
いつまでも自分の足で歩き続けることができる身体づくりを提供いたします。
今回は【悪い座り姿勢が与える悪影響】をご紹介したいと思います。
患者様から、「子供が横になって、タブレットで動画をずっと見ている。体の症状とは関係あります?」
帰省時に、「デスクワークが多くてからだの不調が…」と声が聞こえてきました👂
年末年始ゴロゴロしすぎたり、タブレット・スマホやテレビは多くなかったですか?
悪影響
労働生産性を低下させる要因として、デスクワークおよびスマートフォンの長時間操作による姿勢悪化がある。姿勢悪化は肉体的疲労および精神的疲労にもつながり、これにより集中力が低下し、結果として作業効率にも悪影響を与える。¹⁾
⇒姿勢が悪くなると体も精神的にも疲れやすく、集中力が落ちるため仕事がはかどらない
左足・足首および膝・下腿の違和感は立位と比較して座位および転換条件で有意に低下した。臀部の違和感は座位条件と比較して立位および転換で低下した。眠気の平均評定値は,座位>転換の傾向差を示した。下腿周径は,座位と比較して転換条件で有意に低下した。²⁾
⇒座り姿勢が長いとお尻の違和感や足の太さが表れやすい
15例の中で座位が一番疼痛が強いものは8例であった。今回の結果では、座位姿勢が上肢にかかる負担が一番強く、不良座位での仕事等が負担になっていると予測される。今回の結果では姿勢により、痛みの強さが変わる例も多数あり、上腕骨外側上顆炎においても姿勢の関与による負担増加が示唆される。コアスタビィリティの低下や下肢の安定性低下により、不良姿勢が起こされる。その不良姿勢により、上部体幹部、大胸筋、大円筋等に負担がかかり、外旋角度が低下したと考えられる。肩甲骨周囲の緊張増加により2関節筋である上腕二頭筋、上腕三頭筋の緊張も高まり、肘関節においての単関節筋の収縮が入りにくくなる。さらに多関節筋が優位な状態になる。これらにより、肘関節の安定化は得られず、靭帯や筋への負担が増加することにつながる。これらのことにより、ストレスを受け疼痛につながったと考えられる。³⁾
⇒座り姿勢が悪いと肘の痛みにもつながりやすい
子供の座り姿勢
座位姿勢の実態について、保育者による乳幼児の座位姿勢評定結果から、すでに保育現場では1歳児クラスから姿勢の崩れを感じる子どもが 2 割弱程度おり、そうした低年齢時期に生じた姿勢の崩れは、少なくとも幼児期の間はその後も継続している状況が確認された。⁴⁾
⇒1歳児でも、2割ほどの保護者が姿勢が悪いなと感じている。その姿勢の悪さは継続する
日常的に割り座をとることは、定型発達児が股関節内旋、骨盤前傾位の立位姿勢をとりやすくなり、その成長過程において整形外科的疾患の発症リスクを高める可能性がある.⁵⁾
⇒子供の頃から、習慣的に割り座をしていると将来的に体を悪くしやすい
ご高齢者
立ち上がり動作前の非対称性座位姿勢がその後の立ち上がり動作に悪影響を及ぼす。⁶⁾
⇒座っている姿勢が悪いと立ち上がりにくい
円背群は正常群に比べ,握力,最大吸気・最大呼気口腔内圧,PEFと%PEFが有意に低下していた。安静換気では,正常群は腹部優位,円背群は胸部優位と換気様式に違いがあった。安静換気と肺活量測定時ともに,円背群で腹部呼吸量が有意に少なかった。⁷⁾
⇒猫背では、握力の低下や呼吸機能の低下が現れる
姿勢
どんな座位姿勢でもPC作業が長時間になると、姿勢が悪化し、生産性が低下する。そのため、姿勢を調整することが必要である。⁸⁾
作業時間が多いほど姿勢悪化状態の時間も割合も好ましくないことが判明した。¹⁾
⇒作業時間が長いと姿勢が悪くなりやすい
パソコン作業やモニター管理業務などVDT(Visual Display Terminal)作業では,体幹が前傾する肢位をとることが多い.我々の調査によると,パソコン作業者の肢位はデスクトップ型とノート型で若干異なることが判明した.要するにモニターのサイズが小さくなる程,体幹の前傾角度は大きくなることを確認している.⁹⁾
⇒PCの画面が小さいほど姿勢が悪くなりやすい
実測中の座位姿勢の観測結果によって、床座の方が猫背の程度が強いことが見られた。⁸⁾
⇒床での作業は、椅子で作業するよりも猫背になりやすい
机・椅子にてデスクトップPCを用いて作業を行う場合とこたつ・座椅子にてノートPCを用いて作業を行う場合には、作業姿勢の点からは大きな違いはなく,身体への負荷も少ないと考えられる。一方、ソファにてテーブルなしでタブレット端末を用いて作業を行う場合には、頸の曲げ角度や右肩の上がりが大きくなる
ことから、身体への負担が大きく、作業時間に係わらず推奨される作業方法ではないと考えられる。¹⁰⁾
また,一般的に推奨されるVDT作業の環境である,机・椅子・デスクトップPCの整えられた状況に比べ、ソファ・タブレット端末の場合,頸の前屈角度が有意に大きいことから、頸に大きな負担がかかっていたと示唆される。¹⁰⁾
⇒ソファーでタブレットを使うような環境は推奨されない
デスクワークに比べ歯科治療時はより頭位を傾斜していることが示された.また,前後方向の標準偏差は歯科治療が16.7°,デスクワークが8.6°.左右方向の標準偏差は歯科治療が14.7°,デスクワークが5.6°という結果を得た.これにより,歯科治療時の頭位は広範囲の角度に傾斜していたことが分かった.
これらのことから,前方方向を主とした頭位の傾斜を繰り返す歯科治療時の特徴が確認された.¹¹⁾
⇒歯科医師はデスクワーカーよりも仕事中の姿勢が傾きやすいなど、職業による違いがある
可動域
胸椎後弯角度では若年男性・高齢男性ともに3条件間で有意な差を認めた.一方,腰椎前弯角度と仙骨前傾角度では若年男性・高齢男性ともに3条件間で有意な差を認めなかった.¹²⁾
⇒猫背では首の動きが制限され動かしづらくなる
筋肉
異なる座位姿勢の保持が腰部多裂筋筋厚・筋硬度に与える影響を検討する。前後比較では,通常座位の虚脱、右脚組み、左脚組み、各姿勢座位の良姿勢で筋厚の有意な低下がみられた。¹³⁾
⇒だらんとした座り方や足を組むと筋肉の働きが悪くなりやすい
LM(L2)は臥位、座位、立位の順で有意に筋厚が増大した。LM(L5)は、臥位・座位より立位で有意に筋厚が増大した。ES、TrA、IOは臥位より座位・立位で有意に筋厚が増大した。EOの筋厚は主効果が認められなかった。¹⁴⁾
⇒寝た状態に比べると筋肉が働きやすい
脊柱起立筋(ES),腹横筋(TrA),内腹斜筋(IO),外腹斜筋(EO)
改善のポイント
複数の文献でとりあげられている意識の仕方は、(1)腰を立てる、(2)足裏の重心位置、(3)センター(中心軸)、(4)ゆるむであった。¹⁵⁾
「背すじをのばす」という意識は、一時的には良い姿勢に見えても、良い姿勢になるとは限らない。姿勢を整えるには、「腰を立てる」、「足裏の重心位置」、「センター(中心軸)」、「ゆるむ」ことが大切で、これらは協調や体幹筋活動の視点からも説明することができた。¹⁵⁾
背すじをのばすと浅部(グローバル)筋である脊柱起立筋が多く働くため、その姿勢をし続けることは難しい。「腰椎骨盤直立座位」= 腰を立てた状態では、腰部多裂筋など深部(コア)筋が働く。深部(コア)筋は骨に最も近いところで骨と骨をつなぎ働くため疲労しにくい。深部(コア)筋の働きで姿勢が安定すると、疲れにくく、浅部(グローバル)筋はゆるんでいることができると考えられた。¹⁵⁾
⇒(1)腰を立てる、(2)足裏の重心位置、(3)センター(中心軸)、(4)ゆるむを意識する必要がある
まとめ
今回は【悪い座り姿勢が与える悪影響】について紹介していきました
・姿勢が悪くなると体も精神的にも疲れやすく、集中力が落ちるため仕事がはかどらない
・座り姿勢が悪いと痛みや将来的にも不調が出やすくなる
・だらんとした座り方や足を組むと筋肉の働きが悪くなりやすい
・(1)腰を立てる、(2)足裏の重心位置、(3)センター(中心軸)、(4)ゆるむを意識する必要がある
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参考文献
1)千種康民/井上大輝,健康メディアデザインに基づく座位姿勢の悪化要因分析と改善法に関する研究,東京工科大, 情報科学技術フォーラム講演論文集 (FIT)18巻4号p.455-456,2019年08月20日
2)鈴木一弥/落合信寿/茂木伸之 他,高さ可変デスクを使用したデスクワークへの立位姿勢の導入が身体違和感,疲労,下腿周径に及ぼす影響,公益財団法人 労働科学研究所,労働科学2014年90巻4号p.117-129
3)斉藤嵩,上腕骨外側上顆炎に対する姿勢からの1考察 姿勢によりかかる上肢の負担,日本理学療法士協会,第45回日本理学療法学術大会 抄録集,2010
4)大和晴行/阪江豪/米野吉則 他,幼児期の座位姿勢と生活状況・遊び状況との関連,武庫川女子大学大学院文学研究科教育学専攻『教育学研究論集』編集委員会,教育学研究論集 15 28-35, 2020-03-20
5)藤森美菜子/夏迫歩美/鶴崎俊哉,乳幼児期における割り座姿勢の習慣と立位姿勢との関連,理学療法科学2015年30巻3号p.429-432
6)谷内幸喜,健常中高齢者における座位姿勢の変化が立ち上がり動作に及ぼす影響 座面高別による検討,学校法人物療学園 大阪物療大学,大阪物療大学紀要2013年1巻p.33-45,2013年
7)伊藤弥生/山田拓実/武田円,円背姿勢高齢者の呼吸機能及び呼吸パターンの検討,日本理学療法士協会,理学療法科学2007年22巻3号p.353-358
9)藤村昌彦/河村光俊/奈良勲,座位作業における座面の傾動が腰背部に及ぼす影響―可動座面椅子を用いた試み―
10)杜唐慧子/岩切一幸/外山みどり 他,在宅勤務を想定したVDT作業時の姿勢とその経時変化,一般社団法人 日本人間工学会,人間工学2021年57巻Supplement号p.2D4-1
11)金子敦郎/小林博/山田 好秋 他,加速度計を用いた頭位測定装置による歯科治療とデスクワークの頭部姿勢の比較,日本顎口腔機能学会,日本顎口腔機能学会雑誌2009年16巻1号p.15-21
12)上田泰久/上條史子/大竹祐子 他,座位姿勢における頭頸部の運動と脊柱アライメントの関係,日本理学療法士協会,理学療法科学36(4):511–514,2021
13)原野達也/田島慎也/西原翔太 他,異なる座位姿勢の保持が腰部多裂筋の筋厚・筋硬度に与える影響─クロスオーバー比較試験による検討─,日本理学療法士協会,2021年36巻3号p.331-335,2021
14)遠藤佳章/小野田公/久保晃,超音波画像診断装置を用いた姿勢別体幹筋筋厚の変化,理学療法科学2017 年 32 巻 4 号 p. 527-530
15)和久田佳代,姿勢の整え方–「背すじをのばす」ではなく「腰を立てる」–,聖隷クリストファー大学社会福祉学部紀要No.14,2016