呼吸とからだ【転倒もしやすくなる】

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がじゅまる整骨院の加藤です。自己紹介【加藤由基】

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今回は【呼吸とからだ】をご紹介したいと思います。

呼吸と腰痛

女子学生における非特異的慢性腰痛は、胸腹部可動性に関連した努力性肺活量低下を招く可能性が示された。¹⁾

本研究で腹横筋の活動を中心に腰痛および呼吸機能とが相互に関係を示すことが明らかとなった。²⁾

⇒呼吸の機能が低下すると腰痛になりやすい

 

呼吸と運動機能

全身筋量、筋力は年代別基準値や予測値と近似したが、呼吸筋力と運動耐容能は著明に低下していた。相関分析の結果、吸気筋力と運動耐容能には正の関連が認められた。³⁾

高齢者の運動耐容能には呼吸筋力が関連することが示唆された。³⁾

呼吸機能と身体機能の関係において%努力性肺活量と握力、最大一歩幅に有意な正の相関が認められた。%努力性肺活量、%一秒量、握力において転倒群が非転倒群に対し有意に低値を示した。⁴⁾

転倒経験のある高齢者は呼吸器機能も低下していることが明らかになり、予防的な介入の必要性が示唆された。⁴⁾

⇒呼吸の機能が落ちると、運動機能にも悪影響を及ぼし転倒もしやすくなる

努力性呼吸運動は、内腹斜筋活動最大時期を改善させ、より素早い垂直跳び動作を可能とした。⁵⁾

全身反応時間は運動前後で342.7msecから329.9msecになり、有意差が認められた。内腹斜筋活動最大時期は運動前後で170.0msecから148.0msecになり、有意差が認められた。⁵⁾

⇒呼吸運動後は、運動機能が上がりやすい

呼気筋である腹筋群のトレーニングによって、呼気筋力のみならず吸気筋力も有意に増加した。また、この際の筋活動においても有意な増加を示したことから、呼吸筋全体としてのトレーニングのみならず単独の筋のトレーニングによっても呼吸筋力改善に有効であることが示唆された。さらに、腹筋群のトレーニングは呼気、吸気ともに作用することから、呼吸筋力の低下に対して効果的なエクササイズであると考えられる。⁶⁾

⇒腹筋を鍛えることで、呼吸の機能が上がりやすい

 

呼吸時間と筋肉の働きの違い

骨盤底筋は、 随意収縮の有無により活動に違いがみられ、 どのような場合においても随意収縮を伴わせることの有効性が確認できた。⁷⁾

HA 呼吸法では骨盤底筋と腹横筋に強い正の相関が認められた。 HU 呼吸法では骨盤底筋と腹横筋、 腹直筋との正の相関が認められた。 HA 呼吸法ではできるだけ腹直筋を用いない下腹部を主とする収縮がおこなわれ、 HU 呼吸法では上腹部から腹部全体を使って収縮させていたことが示された。⁷⁾

一般中高年女性に骨盤底筋訓練を指導するとき、 骨盤底筋の随意収縮を伴わせることが重要である。 また収縮感覚が伴わない場合も、3秒の強収縮訓練には HU呼吸法、 5/7/9秒の持続的収縮訓練にはHA呼吸法を用いることで、骨盤底筋の効果的な筋収縮を促進させ、 骨盤底筋訓練の適正化と汎用化につながると考えられる。⁷⁾

⇒骨盤底筋の収縮が分からない方も、5~9秒吐き下腹部を中心に凹ませる・3秒強く吐き腹部全体を収縮させることで骨盤底筋が働きやすくなる

⇒骨盤底筋を意識的に収縮させることが重要

10秒間の一定持続呼気において呼気中盤より終末にかけ腹横筋、内腹斜筋の肥厚が増加し、外腹斜筋では減少する傾向が見られた。⁸⁾

⇒体幹のインナーマッスルを鍛えるためには、5秒以上は息を吐くと良い

 

まとめ

今回は【呼吸とからだ】について紹介していきました

呼吸の機能が低下すると腰痛になりやすい

呼吸の機能が落ちると、運動機能にも悪影響を及ぼし転倒もしやすくなる

骨盤底筋の収縮が分からない方も、5~9秒吐き下腹部を中心に凹ませると働きやすくなる

 

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がじゅまる整骨院院長(加藤由基)

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参考文献

1)金子秀雄/木庭知美/徳永理紗,女子学生における非特異的慢性腰痛の有無による呼吸機能の違い,理学療法科学学会,理学療法科学2016年31巻6号p.799-804

2)奥田裕/小澤佑介,腰痛と腹横筋機能、呼吸器機能のそれぞれの関係性について,社団法人日本理学療法士協会,第44回日本理学療法学術大会 抄録集,2009

3)山口育子/内田学/丸山仁司,要介護高齢女性における呼吸筋力・呼吸機能と身体組成・運動能力の関係,理学療法科学学会,理学療法科学2018年33巻2号p.337-342

4)須藤大輔/金子純一朗/堀本ゆかり 他,転倒経験の有無が呼吸機能および身体機能に及ぼす影響,理学療法科学学会,理学療法科学2020年 35巻4号p.541-544

5)宮﨑大地/田鍋拓也/空閑雄治 他,努力性呼吸運動による内腹斜筋の活性化と全身反応時間の短縮効果,理学療法科学学会,理学療法科学2012年27巻5号p.525-527

6)谷田惣亮/分木ひとみ/白星伸一 他,腹筋群トレーニングが呼吸筋力に与える影響,社団法人日本理学療法士協会,第42回日本理学療法学術大会 抄録集,2007

7)辻野和美/大東実里/星野聡子,異なる呼吸法と腹部収縮時間が骨盤底筋活動に及ぼす影響,日本女性骨盤底医学会,日本女性骨盤底医学会誌2019年16巻1号p.83-89

8)峰岡哲哉/崎田正博/松木直人 他,持続呼気における腹横筋と腹壁筋群の肥厚変化,第30回九州理学療法士・作業療法士合同学会,九州理学療法士・作業療法士合同学会誌,2008