ウォーキングの習慣で転倒を予防!

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がじゅまる整骨院の加藤です。自己紹介【加藤由基】

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以前筋トレで膝痛を予防しよう! – BC-body 新着情報についてまとめていきました。

筋トレで膝痛を予防しよう!

今回は【ウォーキングの習慣で転倒を予防!】についてです。

ウォーキングの実施と転倒のしにくさ

ウォーキング実践割合は、男性で36.1%、女性で23.8%であった。転倒者の割合は、男性で6.4%、女性で13.1%であった。Table2には、W群とNW群の転倒リスク因子の保有状況および過去1年間の転倒状況を示した。バランス不良、移動能力制限、膝関節痛、補助具の使用、転倒リスク因子の保有数においてW群がNW群よりも有意に低値を示した。1回以上の転倒者の割合は、W群11.2%が、NW群17.6%より有意に低値を示した。しかし、複数回または傷害を伴う転倒者の割合は、W群で7.6%、NW群で12.1%と有意差はみられなかった。¹⁾

低リスクのW群において転倒発生が少なかった理由の1つとして、ウォーキング実践による歩行能力の維持・改善効果が考えられた。¹⁾

⇒ウォーキングの習慣がある方は、転倒しにくい

注意

すでに転倒リスクが高い状態の高齢者にとってウォーキングは、転倒予防効果よりも、転倒の機会が増えることによる転倒助長作用が上回ってしまうと考えられた。¹⁾

地域在住高齢者におけるウォーキング実践の複数回または傷害を伴う転倒の予防効果は、転倒リスクの低い場合にのみ得られ、転倒リスクが高い場合には逆効果となることが示唆された。¹⁾

全対象者におけるロジスティック回帰分析の結果、全ての共変量で調整しても、「高リスクでウォーキング実践」は転倒と有意に関連(OR: 8.87, 95%CI: 2.17-36.22)しており、ウォーキング実践と転倒リスクの交互作用がみとめられた(P < 0.01)¹⁾

⇒階段昇段が困難などすでに転倒リスクが高いご高齢の方がウォーキングを頑張ろうとすると、かえって転倒しやすくなってしまうので注意

転倒しやすくなってしまう要因

厚生労働省研究班、転倒ハイリスク者の早期発見のための評価方法作成ワーキンググループの会議によって過去の転倒歴と21項目の危険因子を選択し仮の「転倒スコア」とした。1)過去一年の転倒2)つまずく3)手摺につかまない階段の昇降4)歩く速度が遅延5)横断歩道を青のうちにわたりきれない6)1km歩行できない7)片足で5秒起立できない8)杖の使用9)タオルを固く絞れない10)めまい、ふらつき11)円背12)膝痛13)視力低下14)難聴15)物忘れ16)転倒不安17)5種類以上の服薬18)屋内が暗く感じる19)家の中の障害物20)家の中の段差21)家の中の階段使用22)生活上家の近くの急な坂道歩行。²⁾

転倒者と非転倒者の比較では、段差、階段、坂道以外のすべての下位項目に有意差を認め、下位項目の選択基準が妥当であったこと(構成概念妥当性)が示唆された²⁾

⇒歩行能力の低下・不良姿勢・膝痛・握力の低下・足腰が弱くなるなどがあると転倒しやすくなる

背中が丸くなる

転倒に関連する因子として上位傾斜のみ有意差が認められた。上位傾斜が大きいと上位脊椎は屈曲位となり、上半身重心が支持基底面より過度に前方に逸脱する。支持基底面から逸脱した上半身重心を正常な位置に戻すために、腰椎後弯、股・膝関節の屈曲で代償し、立位バランスを保持している可能性がある。そのため本来、動的な場面においてバランスが崩れた時に使用しないといけない股関節、膝関節が十分に機能しにくくなるため転倒に至ると考える。³⁾

⇒猫背姿勢になると転倒しやすくなる

ロコモ

ロコモ該当者はプレフレイルのリスクが高く、さらに転倒経験を有すると、一層リスクが高くなると示唆された。そのため、まずはロコモ予防を図ることが有用と考える。⁴⁾

フレイルには身体的、精神・心理的、社会的の3側面があり、身体的フレイルはロコモティブシンドロームと密接に関連する。ロコモティブシンドロームがフレイルよりも早い時期から現れ、進行するとされ、移動機能の低下によって社会参加に支障をきたすロコモ度3が身体的フレイルに相当する段階である。⁵⁾

⇒ロコモを防ぐことが転倒予防につながる

ロコモとは

以前の記事で取り上げていますので、気になる方は下記リンクから⇓

変形性膝関節症-関節が硬くなる-

対策法

足底および足趾の静的ストレッチングや足ツボプレート上での足踏み運動が、足趾把持動作に関与する筋群の運動単位の増加ならびに足趾把持力の主動筋である足趾屈曲筋群の張力を高めたことで、足趾把持動作を効率よく発揮でき、即時的に足趾把持力の向上と足趾の巧緻性に関わる足趾10秒テストの改善に有効であったと考えられる。この結果から、足趾把持力および足趾の巧緻性を改善させるには、足趾トレーニングだけでなく、足趾の柔軟性ならびに足底への感覚刺激も必要であると考える。⁶⁾

⇒足裏や足の指のストレッチや足ツボプレート上での足踏み運動は、力を発揮しやすくし動かしやすくする

足底および足趾の運動に加え、下肢筋力およびバランスを組み合わせた運動を実践することで、高齢者の転倒予防としてより効果的であると考える。⁶⁾

⇒足裏と足の指の運動+下半身の筋力強化+バランス能力を高めることは転倒予防につながる

歩き方

歩幅を延長させる際は、約8割の者が遊脚をより前方へ接地させようとしていた。このような者に、立脚終期での蹴出しを強めながら歩幅を延長させて速く歩いた結果、歩幅はより延長し、単に速く歩いた場合と比較して歩行速度がより高まることを示した。以上の結果は、歩幅を延長させながら速く歩く際に、多くの者は遊脚をより前方へ接地させようとしているが、蹴出しを強めることの意識により歩幅がより延長することを示している。⁷⁾

⇒歩幅を広げるためには脚を前に出す意識よりも蹴り足を意識することで、歩幅が広がり歩く速度が上がりやすくなる

スマホ操作と転倒しやすさ

フリック操作課題が歩行運動に及ぼした影響は、20秒程度で終了する短い時間内における歩行運動においても、影響を与えることが明らかとなった。日常生活における歩行は、本研究で設定した歩行時間よりもさらに長く、複雑であると考えられる。このことから、歩行中におけるフリック操作は、転倒などを引き起こすリスクを高める可能性が示唆された。⁸⁾

⇒スマホを操作しながらの歩行は転倒しやすくなる

まとめ

今回は【ウォーキングの習慣で転倒を予防!】について紹介していきました

・ウォーキングの習慣がある方は、転倒しにくい

・歩行能力の低下・不良姿勢・膝痛・握力の低下・足腰が弱くなるなどがあると転倒しやすくなる

足裏と足の指の運動+下半身の筋力強化+バランス能力を高めることは転倒予防につながる

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この記事を書いた人↓↓

 

がじゅまる整体院院長(加藤由基)

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参考文献

1)大久保善郎/清野諭/藪下典子 他,地域在住高齢者のウォーキング実践と複数回または傷害を伴う転倒の関連 ~転倒リスク保有数による差異~,一般社団法人日本体力医学会,体力科学 2011年60巻2号p.239-248

2)鳥羽研二/大河内二郎/高橋泰 他,転倒リスク予測のための「転倒スコア」の開発と妥当性の検証,一般社団法人 日本老年医学会,日本老年医学会雑誌 2005年42巻3号p.346-352

3)森田鉄二/松本浩実/馬壁知之 他,地域在住高齢者における立位姿勢と身体機能および複数転倒発生との関連性について,理学療法科学学会,理学療法科学2021年36巻4号p.499-504

4丸谷康平/新井智之/三浦佳代 他,地域在住中高齢者におけるロコモティブシンドロームと転倒経験がプレフレイルに与える影響,理学療法科学学会,理学療法科学2021年36巻4号p.623-629

5)世木直喜/中島宏彰/伊藤定之 他,地域在住高齢者の転倒と転倒予防〜ロコモティブシンドロームおよび脊椎グローバルアライメントの観点から〜,日本転倒予防学会,日本転倒予防学会誌2024年10巻1号p.19-25

6)辻慎太郎/安部恵子/臼井達矢 他,足底および足趾エクササイズが高齢者の移動能力に及ぼす即時的効果の検証,日本教育医学会,教育医学2023年69巻2号p.145-156

7)武部真人/大下和茂,速歩時における立脚終期の蹴出し意識が歩幅および歩行速度に与える影響,日本ウォーキング学会,ウォーキング研究2023年26巻p.111-117

8)黒川修行/阿部哲也/下田榛乃 他,スマートフォンのフリック操作が歩行運動に及ぼす影響,宮城教育大学,宮城教育大学紀要 56 245-252, 2022-01-31