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がじゅまる整骨院の加藤です。自己紹介【加藤由基】
BC-bodyでは【予防医学】の観点から
いつまでも自分の足で歩き続けることができる身体づくりを提供いたします。
前回は【不良姿勢でなぜ肩が痛くなるのか?】を紹介しました。
今回は【肩の痛みと姿勢の関係性】をご紹介したいと思います。
綺麗な姿勢は機能的
ばらつきはあるが、理想的な肩甲帯の姿勢とは、関節窩が軽度上方を向くように肩甲骨がやや挙上し後退した状態と考えられる。鎖骨の外側端に付着している僧帽筋上部線維により胸鎖関節に最高のてこ効率が提供されこの理想的な姿勢が保持される¹⁾
病理変化にかかわらず肩甲帯筋による支持の欠如により肩甲胸郭の安静時の姿勢を決定するうえで重力が優位に働く結果を招く。このような姿勢では肩甲骨が典型的に下制・前方牽引し、さらに過剰に下方回旋している。¹⁾
⇒肩甲骨が正しい位置にあることで、姿勢が綺麗に保たれる
姿勢筋緊張に影響を及ぼす頭頚部のコントロールは、上部頸椎の運動によって起きる。したがって、屈曲回旋パターンを用いて寝返りを行うためには、上部頸椎が屈曲することが重要である。上部頸椎が伸展した状態で下部頸椎が屈曲するような運動では、背筋の緊張が優位になり、腹筋の緊張が高まりにくくなる。²⁾
⇒顎が上がった姿勢では体幹に力が入りにくい
肩がすくんだ姿勢
肩の位置異常は肋骨や頚部、呼吸機能などを著しく損なう可能性がある。³⁾
僧帽筋中部・下部の筋力が低下することで前鋸筋とのforce couple機構が破綻する。⁴⁾
前鋸筋が肩甲骨を前方へ、僧帽筋中部線維が肩甲骨を後方へ牽引し、2つの筋の合力が肩甲骨を胸郭に押し付けて安定させる。²⁾
⇒肩がすくむとバランスが崩れ、様々な不具合を引き起こす
肩甲骨周りの筋肉
ヒトの肩甲骨を後ろから見ると、ベクトル配列がほぼ全方向に牽引しているのがわかる。このベクトルのうち、4本〔菱形筋、前鋸筋、僧帽筋下部、小胸筋〕は肩甲骨を安定させ、肩甲骨の姿勢位置を決定するうえでひときわ目立っている。この4本は、「X字」を形成する。³⁾
⇒肩甲骨はたくさんの筋肉が関わりコントロールしている
³⁾
肩甲胸郭関節の挙上に関与する筋は、僧帽筋上部繊維、肩甲挙筋、そして力は弱いが菱形筋である。これらの筋により肩甲帯(肩甲骨と鎖骨)と上肢は至適な姿勢に保持される。¹⁾
肩甲棘上で肩甲骨を内下方に牽引する僧帽筋下部と烏口突起に停止する小胸筋は肩甲骨を下方に牽引し、その結果、肩甲骨が上外方に牽引される。この拮抗的な関係は、短縮固定された小胸筋と延長固定された僧帽筋下部に現れることが多く、結果として肋骨上で肩甲骨の前傾が生じる。多くの場合、この前傾は胸郭後傾を伴い、外見は垂直の肩甲骨のままで、基本的なパターンは同じである。³⁾
⇒バランスが崩れると姿勢が悪くなる
³⁾
猫背、下半身から肩への影響
肩関節運動は複数の関節が機能することにより成り立っているため、機能評価は上肢のみに留まらず、全身に目を向けなければならない。機能的問題点もまた当然のごとく身体全体に見つけることができる。したがって、肩関節疾患に対するプログラムは上肢のみではなく、下肢、体幹にまでアプローチする必要がある。⁵⁾
⁵⁾
体幹の効率的な運動連鎖、つまり脊柱の動的安定化には、脊柱アライメントの正常化と運動を保証する脊柱から骨盤帯の可動性の再構築が必要である。⁶⁾
頭部の影響は体幹から下肢にかけても連鎖的に波及し、胸椎の後弯増大に伴い腰椎前弯減少をもたらす。²⁾
⇒肩だけでなく、姿勢を綺麗にする・体幹や下半身も重要
まとめ
今回は【肩の痛みと姿勢の関係性】について紹介していきました
・肩だけの問題でないことも多い
・肩甲骨はたくさんの筋肉が関わりコントロールしていて、協調性が大切
・姿勢を綺麗にする・体幹や下半身も重要
次回は【肩の痛みを予防する運動】について書いていきます。
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参考文献
1)Donald A.Neumann著, 嶋田 智明, 有馬 慶美訳,筋骨格系のキネシオロジー 原著第2版,医歯薬出版,2012年3月1日
2)石井慎一郎,動作分析 臨床活用講座 バイオメカニクスに基づく臨床推論の実践,メジカルビュー社,2015年3月1日
3)トーマス・W・マイヤース/板場英行・石井慎一郎,アナトミートレインー徒手運動療法のための筋筋膜経線,医学書院,2121年1月1日
4)工藤 慎太郎,運動機能障害の「なぜ?」がわかる評価戦略,株式会社 医学書院,2017年7月1日
5)嶋田智明、大峰三郎、立花孝 他,肩関節運動機能障害,文光堂,2010年1月24日
6)嶋田智明,大峯三郎,山岸茂則.運動連鎖~リンクする身体.文光堂.2011.総ページ数(p344)