歩くと腰が痛くなる、腰を曲げると楽になる?脊柱管狭窄症について

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こんな経験ありませんか?

歩いていると段々腰や、もも、お尻が痛くなって歩けなくなる。。。

腰を曲げて少し休憩をすると症状が和らいでまた歩ける。。。

これらは腰部脊柱管狭窄症の症状です。

今回はこの腰部脊柱管狭窄症についてお話していきたいと思います!

 

なぜこんなことが起こるのか?

脊柱には空洞になっている部分があり、その中を身体を動かすために必要な神経が通っています。その神経の通り道を脊柱管と言います。神経は脊柱管を通りさらに椎間孔という骨と骨の間のトンネルを抜けて全身にいきわたります。狭窄症はその名の通り、何らかの原因により脊柱管や椎間孔が狭くなってしまい、そこを通る神経を圧迫してしまいます。

脊柱管や椎間孔が狭窄してしまう直接の原因としては、脊椎の変形です。つまり骨が変形したり、間をつなぐ靭帯が肥厚したりすると狭窄を起こしてしまいます。

Changes of the spine that may lead to LSS include facet joint hypertrophy, loss of intervertebral disc height, disc bulging, osteophyte formation, and hypertrophy of the ligamentum flavum ⇒狭窄症につながる可能性のある脊椎の変化には、椎間関節の肥大、椎間板の高さの減少、椎間板の膨らみ、骨棘の形成、および黄色靭帯の肥大が含まれます。1)

つまり症状が出始めたときには腰骨の変形や靭帯の肥厚が進んでいる状態となります。

 

日常生活でこんな動きをすると悪化する?

脊柱管狭窄症の大きい特徴としては腰を反ると痛みや、痺れ感が増悪するところです。反対に腰を曲げるとそれらが軽快します。なぜこのような現象が起こるのでしょうか?

実は脊柱管は動きや姿勢によって管の内径が変化することが分かっており、2,3)

腰を反る動きでは⇒椎間孔の面積が15%狭くなる

腰を曲げる動きでは⇒椎間孔の面積12%広くなる

神経の圧迫は通常時が21%⇒伸展で33%⇒屈曲で15%

上記の様に腰を反ることで椎間孔の幅が狭くなり、神経がより圧迫されることがわかります。

The axial computed tomography scans showed that extension significantly decreased the canal area, midsagittal diameter, and subarticular sagittal diameter, whereas flexion had the opposite effects. The sagittal computed tomography scans showed that extension decreased all the foraminal dimensions significantly, whereas flexion increased all the foraminal dimensions significantly. The translational changes were associated with the bulging of the disc and the presence of traction spurs. The cryomicrotome sections showed the cross-sectional area of the foramen to be 12 greater for the flexion group and 15 smaller for the extension group than the cross-sectional area of the neutral group. Nerve root compression in the foramen was found to be 21.0 in neutral, 15.4 in flexion, and 33.3 in extension groups.⇒軸方向コンピュータ断層撮影では、伸展により管面積、正中径、関節下正中径が有意に減少し、屈曲では逆の効果がみられた。矢状断層撮影では、伸展によりすべての孔径が有意に減少し、屈曲によりすべての孔径が有意に増加した。並進方向の変化は、椎間板の膨張と牽引棘の存在と関連していた。クリオミクロトームによる断面観察では、椎間孔の断面積は中立群に比べ屈曲群で12%大きく、伸展群で15%小さいことが示された。また、神経根の圧迫は、ニュートラルで21.0%、屈曲で15.4%、伸展で33.3%であり、ニュートラルと伸展を比較すると、屈曲の方が神経根の圧迫が少ないことがわかった。3)
上記の様に腰を反ることにより神経の圧迫が進むため、常に腰を反っている姿勢(反り腰)では痛みや痺れが出やすい事が考えられるため、姿勢をできるだけニュートラルに近づけるよう気を付けることは大きなメリットになるのではないでしょうか。
そのためにもまずは正しい姿勢を知り、予防する事が大切になります。
次回は脊柱管狭窄症の姿勢と予防に関してご紹介させていただきます!

まとめ

①症状が出たら骨の変形は進行している可能性が高い

②腰を反ると神経が圧迫されやすい

予防が大事

 

ここまでご覧いただき本当にありがとうございましたm(_ _)m

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参考文献

1)Lurie J, Tomkins-Lane C. Management of lumbar spinal stenosis. BMJ. 2016 Jan 4;352:h6234. doi: 10.1136/bmj.h6234. PMID: 26727925; PMCID: PMC6887476.

2)Schönström N, Lindahl S, Willén J, Hansson T. Dynamic changes in the dimensions of the lumbar spinal canal: an experimental study in vitro. J Orthop Res. 1989;7(1):115-21. doi: 10.1002/jor.1100070116. PMID: 2908901.

3)Inufusa A, An HS, Lim TH, Hasegawa T, Haughton VM, Nowicki BH. Anatomic changes of the spinal canal and intervertebral foramen associated with flexion-extension movement. Spine (Phila Pa 1976). 1996 Nov 1;21(21):2412-20. doi: 10.1097/00007632-199611010-00002. PMID: 8923625.

4)Hansson T, Suzuki N, Hebelka H, Gaulitz A. The narrowing of the lumbar spinal canal during loaded MRI: the effects of the disc and ligamentum flavum. Eur Spine J. 2009 May;18(5):679-86. doi: 10.1007/s00586-009-0919-7. Epub 2009 Mar 11. PMID: 19277726; PMCID: PMC3234003.