悪い座り姿勢と腰痛

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がじゅまる整骨院の加藤です。自己紹介【加藤由基】

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前回は【悪い座り姿勢が与える悪影響】を紹介しました。

悪い座り姿勢が与える悪影響

今回は【悪い座り姿勢と腰痛】をご紹介したいと思います。

腰痛と座り姿勢

職業性腰痛は、労働に関連して発生する障害の中で最も多い。¹⁾

長時間座り続けたり、ある姿勢で仕事を継続する労働も腰痛の危険因子である。¹⁾

1日の労働時間の半分以上を自動車運転に費やす者は、椎間板ヘルニアの発生率が3倍多いという報告がある。これは、長時間の座位姿勢保持と振動との影響とされている。¹⁾

⇒職業による腰痛も多く、座り姿勢が長いと腰痛につながりやすい

意識的に正しいアライメントでの座位保持能力の向上を図ることは腰痛有訴者に対し有効な治療手段の一つとした。²⁾

⇒姿勢を正して座ることで腰痛の改善・予防につながる

スマホ

最も、椎間の屈曲角度が大きかった姿勢は、立位時におけるスマートフォンの使用である。⁷⁾

⇒スマホ使用時は、座りよりも立ち姿勢の方が姿勢が悪くなりやすい

 

筋肉や柔軟性への影響

「コルセット筋」訓練を指導し、経過を追って測定したところ、女性15例で51Nから78Nへ、男性9例では平均69Nから95Nへとそれぞれ筋力は増加し、これら24例のうち17例で腰痛や神経症状の改善が認められ、また病態や治療に対する不安感が大きく減少していた。内外腹斜筋、腹横筋、多裂筋など腹腔周囲「コルセット筋」の持続運動や筋力強化は慢性腰痛の予防と治療のみならず、腰椎由来の神経症状の治療や “ぎっくり腰” の予防にも有用であり、また筋力の即時数値評価は患者の訓練に対するコンプライアンスを高めるのに効果的であった。³⁾

意識的または無意識的な端座位姿勢において腰痛有訴者が非有訴者より骨盤後傾する要因として、腰痛有訴者の背筋持久力の低下による骨盤後傾位での動作が習慣化され偏位した姿勢アライメントが構築されるためと推測される。²⁾

健常群に比較し、非特異的腰痛群で腰部多裂筋厚が有意に低値を示した(p<0.05)。非特異的腰痛群で円背指数は立位・座位ともに有意に高値を示した(p<0.05)。また健常群の円背指数は立位・座位で有意差を認めた(p<0.05)。⁴⁾

⇒体幹を鍛えることで腰痛の改善・予防につながる

有意差のあった項目は、胸郭拡張差(P<0.05、r=0.30)であった。その他の検査項目では有意差を認めなかった。 無痛群と比較した腰痛群の身体的特徴として、胸郭可動性が低いことが挙げられた。⁵⁾

座位型腰痛群は腰痛無群・立位型腰痛群と比べ、股関節屈曲可動域・SLR可動域に制限がみられた。よって座位型腰痛者は股関節屈曲制限やハムストリングスの伸張性低下の為、座位時に骨盤が後傾する傾向が強くなり、腰痛の動態に悪影響を及ぼすことが示唆された。⁶⁾

⇒胸郭や股関節を柔軟に保つ必要がある

 

子供

子どものライフスタイルは学校や下校後の学習活動など座位時間が圧倒的に多いのが特徴である。持続的な腰椎後弯ストレスは椎間板内圧の上昇をさせるだけでなく、終板軟骨障害を生じさせる可能性も報告されている。⁸⁾

心身の健康の維持・増進のためにテレビ視聴やゲーム等を行っている際の長時間の座位行動、いわゆる座りすぎに着目することの重要性が指摘されている。⁹⁾

⇒習慣的に、腰の負担が大きい座り時間が長くなりやすい

体育座りは姿勢の自由度も低く、椅座位と比較し腰痛リスクが高まりやすい姿勢である可能性が示唆された。⁸⁾

⇒腰痛は、座り方によっても違う

特に体育座り時の腰痛を訴える若年期の症例では、体幹屈曲時痛と多裂筋の圧痛の陽性率が有意に高い事がわかった。¹⁰⁾

胸腰椎の過屈曲で代償した座位姿勢は、腰部多裂筋の持続収縮に加え筋膜の伸張を惹起し、筋内圧はさらに高まる結果となる。つまり、座位時の腰痛を訴える症例に有意に認められた体幹屈曲時痛や多裂筋の圧痛は、一種の慢性コンパートメント症状と考えると臨床所見との整合性が得られるところである。¹⁰⁾

⇒背中の筋肉が張りすぎることで痛みが出やすい

 

高齢者

CLBPのリスクは、参照群(高PA/低SBグループ)と比較して、低PA/高SBグループ(オッズ比:1.66、95%信頼区間:1.02-2.70)でのみ有意に高いことが示されました。これらの結果は、低PAと高SBの組み合わせがCLBPのリスクである可能性があることを示唆しています。¹¹⁾

⇒慢性的に腰痛がある方は、活動量が少なく座りがちになりやすい

 

まとめ

今回は【悪い座り姿勢と腰痛】について紹介していきました

姿勢を正して座ることで腰痛の改善・予防につながる

体幹を鍛えることで腰痛の改善・予防につながる

胸郭や股関節を柔軟に保つ必要がある

慢性的に腰痛がある方は、活動量が少なく座りがちになりやすい

 

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がじゅまる整骨院院長(加藤由基)

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参考文献

1)栗原章,職業性腰痛の現状と展望,日本腰痛学会,日本腰痛学会雑誌2002年8巻1号p.10-15

2)篠塚晃宏/飛永浩一朗/井手睦,腰痛有訴者と腰痛非有訴者の端座位における体幹・骨盤肢位と体幹筋持久力の比較,日本理学療法士協会,第51回日本理学療法学術大会 抄録集,2016

3)浜西千秋,腰痛性疾患にみられる「コルセット筋」の筋力低下と簡便な座位トレーニング,日本腰痛学会,日本腰痛学会雑誌2007年13巻1号p.52-57

4)田川拓磨/松岡健/須崎裕一 他,立位・座位の円背指数の変化について ―健常者と非特異的腰痛症患者の比較検証―,九州理学療法士・作業療法士合同学会,第39回九州理学療法士・作業療法士合同学会,2017

5)山野拓也/平野健太/網代広宣 他,腰痛を有するデスクワーカーの身体的特徴ー可動性と静的アライメントに着目してー,日本理学療法士協会関東甲信越ブロック協議会,第40回関東甲信越ブロック理学療法士学会,2021

6)中野淳一/渡會由恵/光山孝,腰痛を悪化させる姿勢と股関節可動域の関係,日本理学療法士協会,第43回日本理学療法学術大会 抄録集,2008

7)内田雅之/長宗高樹/黒田良祐,スマートフォン使用時と非使用時の脊椎姿勢の比較,日本知能情報ファジィ学会,第32回ファジィシステムシンポジウム 講演論文集,2016

8)増田一太,体育座りと椅座位の腰痛リスク 脊椎アライメントのバイオメカニクス的検討,日本理学療法士協会,第50回日本理学療法学術大会 抄録集,2015

9)石井香織/岡浩一朗/柴田愛,子どもにおける座位行動の健康課題とその対策,一般社団法人日本体力医学会,体力力学,2022

10)増田一太/篠田光俊/松本祐司 他,若年期における座位時腰痛の考察─臨床所見と重心動揺計を用いた検討─,日本理学療法士協会,第47回日本理学療法学術大会 抄録集,2012

11)齊藤貴文/崎田正博/熊谷秋三,身体活動と座りがちな行動の慢性腰痛への併用リスク,一般社団法人日本体力医学会,体力力学2015年64巻4号p.435-442