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がじゅまる整骨院の加藤です。自己紹介【加藤由基】
BC-bodyでは【予防医学】の観点から
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前回は【変形性股関節症を引き起こす要因】を紹介しました。
今回は【姿勢と変形性股関節症の関係性】をご紹介したいと思います。
股関節が正しい位置に収まっているか?
大腿骨頭を十分に覆いきれていない不完全な寛骨臼は慢性的な脱臼と応力増加を誘発し、ときとして変性や変形性関節症の要因となる。¹⁾
⁴⁾
関節裂隙の狭小化が疼痛と強く関連しているという複数の質の高いエビデンスの報告が海外からなされている。²⁾
Sharp角の増大やacetabular head index(AHI)の低下が変形性股関節症病期の進行につながり、進行とともに疼痛が増大したというエビデンスがある。²⁾
⁴⁾
⇒関節が正しい位置にないと関節が変形しやすくなる
関節唇の前上方部分は、股関節を深屈曲した際に、骨頭や頚部と、臼蓋の間に挟まれることがある。これを大腿骨寛骨臼インピンジメント(FAI)と呼ぶ。³⁾
FAIでは、大腿骨側あるいは臼蓋側、またはそれらの両側の骨形態の異常に伴う関節運動時の過剰な機械的ストレスが、関節唇や軟骨の損傷をもたらし、変形性股関節症の原因の1つになりうることが報告されている。³⁾
⇒股関節が滑らかに動かないと過剰に負担がかかり、関節が変形しやすい
反り腰による股関節への負担の変化
圧縮ストレスの要因として、以下の運動学的要因が考えられる。³⁾
①股関節の動的安定性の低下
深層外旋六筋の伸張性低下により、股関節内旋可動域が制限されることで、大腿骨頭が寛骨臼に滑り込む動作が阻害され、鼠径部痛や前方インピンジメントが誘発される。
②股関節の伸展可動域制限
・股関節の伸展可動域が制限されると、骨盤の前傾が増強するため、股関節前面への圧縮ストレスが高まることになる
③殿筋群の筋力低下
・大殿筋の筋力が低下しても、腸腰筋や多裂筋により骨盤を前傾位を保持している場合は、骨盤前傾が増強し、股関節前面への圧縮ストレスが増強する
④内腹斜筋の筋力低下
・内腹斜筋の筋力が低下していると、骨盤の前傾を制御できず、骨盤の過度な前傾が生じ、股関節前面に圧縮ストレスが加わる
⑤固有背筋内側群の筋力低下
・内側群の筋力低下を大殿筋や腸腰筋で代償することで、骨盤が前傾する。そのため股関節前面への圧縮ストレスが増強する
⇒反り腰になると股関節への負担が大きくかかり、痛みやすい
⁴⁾
反り腰による体幹への影響
股関節症では対照群に比べて腰椎前弯角、仙骨傾斜角、脚長差、および骨盤側傾のいずれもが大きかった。²⁾
正常な腰椎前弯をもつ腰椎骨盤姿勢は、脊柱全体のアライメントを最適にする。¹⁾
⇒正しい姿勢では関節の負担が少ない
腹横筋と内腹斜筋は、股屈筋活動の平均50~100 msec前にまず最初に反応する体幹筋である。¹⁾
腹直筋の十分な固定なしでは、股関節屈筋群の効率が悪く、骨盤は前傾する。¹⁾
⇒体幹の筋肉と協調することで股関節が動かしやすくなる
股関節症は慢性進行性の疾患であり、日常生活において繰り返される姿勢・動作が病態の悪化に関わっていると言っても過言ではない。⁴⁾
股関節症を代表とした変形性関節症に対する理学療法は、生活動作の改善が主目的であり、その一部分として関節機能の向上がある。⁴⁾
⇒変形を防ぐためには、股関節だけでなく姿勢や動作を改善することが不可欠
⁴⁾
まとめ
今回は【姿勢と変形性股関節症の関係性】について紹介していきました
・関節が正しい位置にあり、滑らかに動くと股関節の負担が少ない
・反り腰は股関節の負担を大きくする
・姿勢や動作を改善することが不可欠
次回は【変形性股関節症を防ぐための運動】について書いていきます。
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参考文献
1)Donald A.Neumann著, 嶋田 智明, 有馬 慶美訳,筋骨格系のキネシオロジー 原著第2版,医歯薬出版,2012年3月1日
2)日本整形外科学会/日本股関節学会,変形性股関節症診療ガイドライン2016,南江堂,2018年7月20日
3)工藤 慎太郎,運動機能障害の「なぜ?」がわかる評価戦略,株式会社 医学書院,2017年7月1日
4)嶋田智明,大峯三郎,山岸茂則.運動連鎖~リンクする身体.文光堂.2011.総ページ数(p344)