四十肩、五十肩の原因

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前回は「四十肩、五十肩について」をご紹介させていただきました。

今回は「四十肩、五十肩の原因」についてご紹介したいと思います。

 

「これが原因!」というものは未だない

五十肩には様々な呼び方があります。例えば「肩関節周囲炎」や「凍結肩(frozen shoulder)」等と言った呼び方があり、日本、海外で違いがあります。1)

しかし、その病態はどれも同じで、肩関節の周りにある組織(筋肉、関節包、滑液包)が何らかの原因(多くは老化と記載されている)で炎症を起こす。とあります。

しかし、「これが原因です!」といった事は未だ明らかになっていません2)

そこで今回は原因になりそうな事についてご紹介させていただこうと思います。

 

肩の動く範囲

肩関節は動く範囲がとても広く、様々な方向に動きますが、それには肩甲骨や、胸椎(背骨)が関係してきます。

例えば、投げる動作で肩の可動範囲を調べた研究では、肩甲上腕関節だけの動きでは肩の障害に繋がってしまい、肩甲骨の動きや、胸椎の動きも同時に動く事が大切としています。3)

ここでは投球動作をもとに説明しましたが、日常生活でも同じような事が起こっています。

 

日常生活で見る肩に負担のかかる動き

五十肩に多く見られる症状としては、

・腕が上がらない(シャンプー、洗濯物を干す等)

・手が後ろに回らない(後ろの紐を結ぶ、背中を掻く)

等が多いと思います。

そこから段々と症状がひどくなり、

・荷物が持てない

・起き上がるときに手が付けない

等日常生活に支障が出るほどの痛みに変わってきます。

では日常生活ではどんな動きになっているのでしょうか?

例えば、背中が丸くなる「猫背」では胸椎の伸展ができません。

先程の投球動作で言う(胸椎伸展9.1°±7.2°)ができない状態となります。

そこで肩を無理やり上に挙げたり、腰を反って手を挙げるようになるのですが、

そこで肩の可動範囲を超えてしまうことで肩に負担がかかったり、腰に負担がかかったりします。

また、手を後ろに回す動作でも肩甲骨の動きが関わっています。

手を腰に当てる動きで肩甲骨は前傾(肩を前に出す動き)をします。4)

その時の肩甲骨が前に倒れる角度は手を置く位置によって違いますが、肩甲骨が肩の動きに関わっている事がわかると思います。

このような事から肩の動きには肩甲骨や、胸椎の動きが不可欠な事がわかると思います。

肩甲骨や胸椎の動きを柔らかく、スムーズにすることで肩の痛みを予防できる可能性が高いです。

次回はこれらの動きを出すために大切な「姿勢」の話をお伝えしていきます!

 

まとめ

今回は「四十肩、五十肩の原因」についてお伝えしました。

①四十肩、五十肩の原因は明らかではない

②肩甲骨、胸椎が動かないと肩や、腰に負担がかかる

③肩甲骨、胸椎を動かすことが肩の痛みを予防するポイントになる

 

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参考文献

1)村木 孝行, 肩関節周囲炎 理学療法診療ガイドライン, 理学療法学, 2016, 43 巻, 1 号, p. 67-72.

2)Cho CH, Bae KC, Kim DH. Treatment Strategy for Frozen Shoulder. Clin Orthop Surg. 2019 Sep;11(3):249-257. doi: 10.4055/cios.2019.11.3.249. Epub 2019 Aug 12. PMID: 31475043; PMCID: PMC6695331.

3)宮下 浩二, 小林 寛和, 越田 専太郎, 浦辺 幸夫, 投球動作の肩最大外旋角度に対する肩甲上腕関節と肩甲胸郭関節および胸椎の貢献度, 体力科学, 2009, 58 巻, 3 号, p. 379-386

4)山﨑 敦, 中俣 修, 牧川 方昭, 肩関節伸展-内旋運動時における肩甲骨の運動解析, 理学療法学Supplement, 2012, 2011 巻, Vol.39 Suppl. No.2 (第47回日本理学療法学術大会 抄録集), p. Ab0438, 公開日 2012/08/10, https://doi.org/10.14900/cjpt.2011.0.Ab0438.0, https://www.jstage.jst.go.jp/article/cjpt/2011/0/2011_Ab0438/_article/-char/ja,

5)塚本 芳久, 上肢前方挙上時における脊柱の動きに関する動態学的研究, リハビリテーション医学, 1990, 27 巻, 6 号, p. 453-458.