もしも横座りが習慣化しているとどうなるか?

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歩き方、立ち方、座り方などなど・・・人間には様々な動きが存在します。

その中でも【座る】という行為は現代社会においては割かれる時間が多いのではないでしょうか?

例えばオフィスのイスに座ったり、ソファーに座りリラックスしたり、地面に座り話をしたりなど多くの【座り方】が存在します。

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ちなみに日本比較的座っている時間が長い国であり(日本、台湾、香港、サウジアラビア、ノルウェー(medians ≥360 min/day))少ない地域(コロンビア、ブラジル、ポルトガル (medians ≤180 min/day))と比較すると倍近い時間座っているようです。1)

長時間、長期間座ることの多いオフィスのイスを使用した場合では問題になるのは腰が多く、膝の痛みについては問題になっていません。2)

ではどんな座り方が膝に負担をかけているのでしょうか?

今回は横座りと呼ばれる座り方について考えていこうと思います。

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ではなぜこのような座り方が膝に良くないのでしょうか?

 

膝は、大腿骨(もも)、脛骨(すね)、膝蓋骨(お皿)がそれぞれが接することで膝関節を構成します。

大腿骨(もも)+脛骨(すね)で脛骨大腿関節

大腿骨(もも)+膝蓋骨(お皿)で膝蓋大腿関節

といった具合です。

膝の動きは曲げ伸ばし(屈曲、伸展)で約150°とされています。

また捻ることもでき、膝を曲げるた状態では脛骨(すね)が内側約10°/外側約40°捻る事ができます。

また膝の構造上勝手に膝を伸ばす際に10°程脛骨(すね)が外側へ捻られます。

反対に曲げる時は勝手に脛骨(すね)が内側へ捻られます。

 

では先程の座り方を見てみると、脛が外側へ捻られてつま先が外側に向いているのがわかると思います。

この座り方では膝を曲げた時に脛骨(すね)が外側に捻られるちぐはぐな動きをすることにより本来の膝の動きが損なわれる可能性があります。

実際に変形性膝関節症を患った方へのアンケート調査では長期的に横向きに座る習慣があると答えた人が61%ほどいるようです。3-5)

膝には捻られ過ぎたり、関節が脱臼しないために「靭帯」というストッパーがあります。特に膝内部の靭帯(前十字靭帯、後十字靭帯)は、膝を伸ばした時は骨をはめ込ませ関節を安定化させ、膝を曲げる時は靭帯の捻じれ構造により関節面を接合させ、安定化させます。

「靭帯」が緩むと膝の安定化は失われは、膝関節が抜けそうになります。また靭帯には関節の動きを感知するセンサーが備わっており、靭帯が緩むことで正しく膝を曲げたり、衝撃を吸収するように筋肉を働かせるなどの機能が落ち、正しく歩けなくなる可能性があります。6 )

実は先程の脛骨(すね)が外側へ捻られると靭帯が緩む方向にも働くため、長期的に横座りを繰り返すことで靭帯が緩む可能性もゼロではありません。

ということで膝の痛みを抱えている人は横座りではなく膝が捻られない座り方・・・例えばイスに座る、長座や体育座り等をするとよいかもしれません。

 

まとめ

①日本人は座る時間が多い

②膝は捻られる方向が決まっている

③膝を痛めないように膝を捻りながら座らないように

いつまでも歩き続けるためにはまず身体が健康でなければなりません

上記を意識して疾患を一緒に予防しましょう💡

 

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参考文献

1)Bauman A, Ainsworth BE, Sallis JF, Hagströmer M, Craig CL, Bull FC, Pratt M, Venugopal K, Chau J, Sjöström M; IPS Group. The descriptive epidemiology of sitting. A 20-country comparison using the International Physical Activity Questionnaire (IPAQ). Am J Prev Med. 2011 Aug;41(2):228-35. doi: 10.1016/j.amepre.2011.05.003. PMID: 21767731.

2)Sihawong, Rattaporn et al. “A prospective, cluster-randomized controlled trial of exercise program to prevent low back pain in office workers.” European spine journal : official publication of the European Spine Society, the European Spinal Deformity Society, and the European Section of the Cervical Spine Research Society vol. 23,4 (2014): 786-93. doi:10.1007/s00586-014-3212-3.

3)大成 和寛, 林田 武継, 林 健太郎, 角南 浩史, 三河 義弘, Windswept deformityを呈した変形性膝関節症の1手術例, 中部日本整形外科災害外科学会雑誌, 2006, 49 巻, 2 号, p. 293-294, 公開日 2006/05/20, Online ISSN 1349-0885, Print ISSN 0008-9443, https://doi.org/10.11359/chubu.2006.293, https://www.jstage.jst.go.jp/article/chubu/49/2/49_2_293/_article/-char/ja.

4)川畑 了大, 栫 博則, 田上 容祥, 津畑 修, 小原 良規, 砂原 伸彦, 東 午郎, 大西 敏之, 吉野 伸司, 小宮 節郎, Windswept deformity に対し両側 TKA を施行した 1 例, 整形外科と災害外科, 2003, 52 巻, 4 号, p. 760-763, 公開日 2005/02/18, Online ISSN 1349-4333, Print ISSN 0037-1033, https://doi.org/10.5035/nishiseisai.52.760, https://www.jstage.jst.go.jp/article/nishiseisai/52/4/52_4_760/_article/-char/ja.

5)Peungsuwan P, Chatchawan U, Puntumetakul R, Yamauchi J. The prevalence and work-related physical factors associated with knee pain in older Thai farmers. J Phys Ther Sci. 2019 Jun;31(6):466-469. doi: 10.1589/jpts.6.466. Epub 2019 Jun 1. PMID: 31320780; PMCID: PMC6565838.

6)Carter ND, Jenkinson TR, Wilson D, Jones DW, Torode AS. Joint position sense and rehabilitation in the anterior cruciate ligament deficient knee. Br J Sports Med. 1997 Sep;31(3):209-12. doi: 10.1136/bjsm.31.3.209. Erratum in: Br J Sports Med 1997 Dec;31(4):356. PMID: 9298555; PMCID: PMC1332521.

7)石井慎一郎:痛みの理学療法シリーズ 膝関節機能障害のリハビリテーション.羊土社.東京.2022.